一体何をどうしたら今の状況になるの。


久々に部活来て練習するかと思えば、いきなり「ちょっと来い」なんて呼び出されて、しかも付き合え、だなんて。

なんなの。バカにしてるの?
青峰は一体何がしたいの。

とりあえず、青峰に限って私に告白なんてことはないだろう。自分で言ってて少し悲しいけどそれが真実なんだから仕方ない。

これは荷物持ちかなんかの要求だろうか。


「…で、何処に付き合って欲しいの?」

「はぁ?」


真面目に返したつもりだったのに凄い顔された。


「馬鹿じゃねーのお前」

「馬鹿とか何よ馬鹿とは」

「だって馬鹿としか言いようがねぇだろ。どんだけ鈍いんだよ」


なんか知らないけど腹立つ…。


「あのさぁ用事無いんだったらもう戻って良い?マネージャーの仕事、さつきだけに任しておくわけにもいかないし。青峰もそろそろ練習に参加したら?」


言いたいことだけ言って1人でさっさと体育館に向かおうとした。


「待てよ」


にも関わらず手首を捕まれて私の動きは止まる。

お願いだから変に期待させないで欲しい。


「何」

「ちょっと買い物付き合え」


ほらやっぱり。

結局傷つくのは私なのに。



それでも結局着いていってしまうのはやはり私が青峰の事が好きだからだろうか。






「ねぇ、どこ行くの」

「んなもん着けばわかるだろ」

「でも」


その続きは目で制されて何も言えなかった。


ぐいぐいと手を引かれたまま着いたのは…


「え、買い物に行くんじゃなかったの」

「あ?行かねーよ」

「じゃあなんで」

「いちいちうるせーな。場所言ったらお前絶対来なかっただろ」

「…………。」


図星で何も言えない。

ここにくると知っていれば私は首を縦には振らなかった。


紛れもなくここは、青峰の家、だった。


ほらみろと言わんばかりに見てくる青峰に私はかろうじて言葉を絞り出す。


「なん、で」

「お前が馬鹿なのがわりーんだろ」

「さっきから馬鹿馬鹿言い過ぎなんですけど。私そんなに馬鹿じゃない」

「馬鹿だろ」



瞬間、青峰の顔が近づいてきて、呼吸が出来なくなった。

それは比喩的な意味じゃなくて、本当に。


「…っふ、…」






「…………これでわかんないんなら正真正銘の馬鹿だからな」



離れた青峰は怒ったような悲しんだようなそんな複雑な表情をしていた。



「だって私、胸おっきくない」

「はぁ?」


思考が止まりそうなのを必死にフル回転させてたどり着いたのはたった一つの答え。

でもそれを素直に受け取るなんて私には到底無理なことだった。

だからこんな言葉で、自分の答えを否定しようとする。


「ほんっと馬鹿だな」


本日何回目かの馬鹿。


「ま、俺も俺か。…名前、お前の好みのタイプは」


急になんなの。


「…優しい、人」

「それと一緒だろ」

「意味わかんない」

「……チッ、だから好きだっつってんだろ」

「………………。」



どうか今の言葉が夢じゃないことを祈りたい。




「なんとか言えよ」

「好き」

「な」

「青峰好き」



勘違いじゃないことを

心のそこから祈る。





「………家入ろーぜ」

「……ッ!」




やっぱり今だけ夢であって欲しい。


それでも久しぶりに笑顔が見れたからいいことにしよう。





…確かに、青峰は普段はあんまり優しくないかも。





――――――――――


大分、いやかなり内容が変わりました。なんか青峰君がよくわからないことになってますが気にしないでください。

すみません。

ここまで読んでいただきありがとうございました(o^∀^o)






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