『雨、かぁ』


先生に呼び止められ気づいたらお空は灰色に染まり雨まで降っていた。なんだこれ。朝は寝坊して風紀委員に怒られたし(委員長がいなかったのは不幸中の幸いだな)走ってる途中転んで足捻ったし、星座占い最下位だったし。私今日ついてないね。朝に今日は快晴で洗濯日和だってお天気ねぇさん言ったたのに。土砂降りじゃないの。


『ねぇさんの嘘つき』

「名字さんお姉さんいたんだ」

『…音立てず後ろに立たないでくれないかな心臓飛び出るかと思ったんだからね沢田くん!』

「ご、ごめんっ!」


もうこんな時間だし学校にいるのは風紀委員と先生抜かして私だけかと思ってたのに、いたよ。油断してたから本当におどろいたわ。

ん?心なしか顔色悪いけど気のせいかな?


『てか、私一人っ子だけど』

「え、でも今ねぇさんって……」

『あぁ、違う違う』


説明をし再度一人っ子だよと伝えたら納得したらしく、俺もだよなんて言ってきた。まぁ確かに少し納得だわ。一人っ子ぽい。けど面倒見が良さそうだよね沢田くんって。苦労人みたいな、ね。


『とりあえず頑張れ』

「え、何が?」

『色々と』


?を浮かべてる沢田くんを横に荷物を抱えて走る準備をする。もう腹をくくってぬれるしかないからね。


「…名字さん、そういえば何でこんな時間ここにいるの?」

『そういうそっちこそ』

「俺は補習っていうか、…なんか残されて」


あぁ、だから顔色悪かったんだ。


『沢田くんバカだもんね』

「んなっ!?」

『あ、思わず本音が』

「なお悪いよっ!」


沢田くんって、ツッコミ体質だなぁ。と空笑いをしながらふと思った。おとなしそうに見えるのにハキハキとしたツッコミするなんて。ギャップか。ギャップ萌えってやつか。なるほどね。沢田くんも考えてるんだね。あれ、違う?


『あの銀髪いないんだね』

「えと、獄寺くん?…なら先に帰ってもらったんだ。遅くなりそうだったし」

『たしかに』

「……あれ?今俺バカにされた?」

『よくおわかりで』

「そこは否定しようよ!」


ぜえはあ言うほど全力でツッコミするなんて、こんな人はじめてだよ。


「あ、そうだ」

『ん?』

「傘、無いんだよね?送っていくよ」


ちょっと聞きました?奥さん。送っていくよだってよ?ん?見るからに沢田くんの持っている傘は一本。つまりあれだろ?アイアイガサをするって訳でしょ?………ははは。


『てか、なんで傘無いって知ってんの』

「…あー、直感?」

『直感って、……』


最近の学生怖いね!


(遠慮しとくよ)(いや、送るよ)(いや、いいよ)(送る)(断る)(送る!)(だからことわ…)(ダメ)(!?)





(好きな子とは少しでも長くいたいじゃん)


fin