-1- [しおりを挟む] 気付いたときには、私はもう、独りだった。 信頼出来る人も、大切な人も、愛してくれる人もいない。何度も何度も違う人生を繰り返し、持ち主を失えばその生涯を終える。だが、何度も繰り返すうちに、愛してくれる人が、大切にしてくれる人が現れた。 ――絶対、絶対死なないでね。 何度も、繰り返した言葉。 ――大丈夫だよ、死なないから。 何度も、耳にした言葉。 なのに、 長髪で弱々しいけれど、心の底から愛してくれた優しい彼も。妹が欲しかったのだと、それこそ私を妹のように愛し、養ってくれた彼女も。もう、私の傍にはいない。 どうして、どうして。 私を愛してくれる人ほど、早く生涯を終えてしまうのでしょうか、神様。 |