短編 | ナノ


さびしいさびしいさびしいさびしいさびしい

さびしい、よ。

狂ったように、彼女は虚ろな瞳でそう呟いては再び瞼を下ろし、静かな寝息を立てる。
彼女が、唯一休める時間。

彼女が、唯一襲いくる虚無から逃れられる時間。

引っかき傷が残る、頬。
あんなにも綺麗だったのに、ね。


ねぇ、僕はここにいるよ。
君は一人なんかじゃないよ。
わかってよ。

囁いた言葉も、
伸ばした指先も、

もう、君には届かない。




(君の側にいるんだよ、気づいてよ、耳を澄まして、お願い)



20130212


日付通り、随分前に書いたものですが…。


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -