短編 | ナノ


締めつけられるように痛むのは、この身体のどこだろう。
胸だとか言うけれど、病院に行ったって治してなんかくれないでしょう?
何が私のこれを治してくれるのかな、どうすれば私の気持ちは晴れやかになるのかな。

貴方の声が、私を呼ぶ貴方の声が、した。

ほら、いたい。
いたいよ、いたいの、すごくいたいの。
きゅうって、音が鳴る。

貴方の笑顔で私は顔が熱くなる。
貴方の仕草で私の鼓動は速まっていく。

「なぁ、楠木。」

ほら、そんな風に無邪気に笑うから。
話しかけるから。
自然と手が頭に触れるから。

「もう、なんでですか、」
「ずるい、って?
一生溺れてればいい、逃げられると思うなよ。」


そんな貴方が、憎らしいけれど、
でも、


「すき、ばか。」
「今はまだ聞きたくない。」
「ばか、嫌い、嫌い嫌い。」


大嫌いで、大好き。


(愛してると言いたくなるまで、君の想いはまだ聞かない。)



20121209



いつぞやの先輩後輩コンビ。
あまあまでした。



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