笑顔屋 | ナノ


 その後、部屋で西川を待つことになり、四人と一つはそれぞれ好きなことをしていた。ただ、その中でもいつもと違ったのは。
「俊輔、何してんの?」
「由梨亜さんの情報、転がってないかなってさ」
 その言葉に、悠哉だけでなく雪や綺も目を丸くさせる。あの俊輔が、自分の貴重な睡眠時間を誰かに強要されたわけでもないのに、むしろ自主的に他人の為に使っている。
「……何だよ」
 三人の視線が気恥ずかしかったのか、癖の付いた髪から覘く耳を僅かに赤くさせながら、鋭い瞳で三人を睨み付けた。
 三人が笑いを堪えながらも謝ろうとした、その時。
 ドアのノック音が、室内に届いた。

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