memo ねたつめあせ。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ くるしい。 首元に手を当てて、ぐっと力を込めた。くるしい。当たり前だ。喉がぐっと押さえられて息がしにくい。もっと力を込めたら、死ねるのだろうか。自力で死ぬのはやはり難しそうだけど、首を絞められて死ぬ人なんてたくさんいたはず。 更に力を込めた。手が緩みそうになる。死にたいわけではない、罰だ。彼を傷つけた、罰。 「なにしてんの」 怒りを抑えた声が頭上から降ってきた。ぼやける彼の姿。 ねえ、わたし、あなたを傷つけたから、自分を傷つけてるの。ゆるして、ゆるして、ごめんね。 声にならない言葉を伝えようと彼を見る。 頭を撫でて、抱きしめて、許してよ。そうすれば、こんなことしないから。 ぱちんと乾いた音がして、私の手は首から離れた。頬が痛い。彼は泣いていた。 どうして、泣くの。わたし、あなたのこと、もう泣かせたくなんかないのに。 「ばか」 泣かないで、うずくまらないで、わたしから目を背けないで。 怒って、わたしを抱きしめて、ばかなわたしの頭を優しく撫でてよ。 ゆるして、と零した唇に、彼は乱暴なキスをした。 |