春の陽気が僕の背中を蹴っ飛ばす 春になったのに寒いなぁなんて思っていたら、あっという間に暖かくなってしまった。すぐに夏が来そう。 桜が咲きはじめた。 桜を見ると以前に書いた作品を思い出す。企画にも提出させていただいた作品。『君だけの春が咲く。』というもの。『笑顔屋』の一番最初のエピソードと繋がってるやつだよ。知らなくても読めるんだけど。 今日は、いつも使用している駅からいつも行っている場所へいつも通り向かっていた。向かう途中でほんの少し遠くへ視線をやったら、白に近い綺麗な薄ピンクをした桜が目に留まって少し驚いた。あんな所があったんだなと思って、それからどうしようもなく行きたくなって。でも今日は時間がないから無理かななんて思ってとりあえずやめた。 でも、いざ用事が終わると時間があって。ギリギリになるかな、走ることになるかな、でもまぁたまにはいっかなんて思って、とりあえず桜のある方へ行こうと適当に歩き出した。 知らない道だった。この辺りに住んでから何年も何回も使用している駅なのに、来ている土地なのに、ほんの少し歩いただけで全然知らない景色になった。 目指していた桜は案外近いところにあって、何枚か写真を撮った。やっぱり薄い色をした綺麗な花びらだった。見つめたり写真を撮ったりして、満足したから帰ろうとしたのだけど、帰り道が少しわからなかった。方向音痴だからというのもあるけど、そんなに見慣れないところが未だにあったんだなと面白くなった。 少し急いだ方が良いのかなと思っていたけど、駅まではほんの五分程度で着いてしまった。本当にその程度の距離だった。その程度の距離にわたしの知らないところがまだ残っていた。不思議で楽しい。まだまだ狭いところにいるんだね、なんにも知らないんだね。 一人で歩くのは楽しい。あそこに行こうかな、やっぱりこっちにしようかなと時間を気にせず気ままに歩くのは楽しい。お気に入りを見つけたら大切な人を連れて行きたくなる。そのときを想像するのもまた楽しいから。 良い気分転換になったよ。あと少しで社会人だ。いろいろあって苦しいけど、狭い世界を広げるときがやってきたんだなと思えば少しは楽しみになるかな。不安でいっぱいでまだ苦しいけど、とりあえずがんばろうね。 2018/03/29 17:22 |