限りなく日常


なぜ今ここにいるんだろうと思う。

限りなく日常

6時間目の世界史。あたり一面がざわざわとしていて落ち着きがない。まあそれはいつものことなんだけれど。
後ろを向いておしゃべりをしている男子。
ひたすらに黒板じゃなく目の前に置いた鏡に向き合う女子。
机の下でこっそりと携帯でメールをしている女子。
机を枕代わりにぐっすり昼寝を決め込んでいる男子。
どれもこれも見慣れた景色。特別物珍しいものではない。
けれど、ふとした拍子にこれは変なんじゃないかと思うのだ。だってここは学校で彼らは勉強をしにここへ来ているはずなのに、肝心な授業は遊んでばかりでちっとも聞いてやしない。
たしかにこの時間で今日の学校の授業が終わりだと思うと気分が高揚するのかもしれない。私だって同じ人間だから理解できないわけじゃない。けど、これはどうかと思うのだ。

先生が話しながら黒板に板書を書き込んでいく。カッカッカツ。緑色の黒板に──そういえばどうして緑色をしているのに黒板なのだろうか──先生の書いた白い文字が現れる。今日はナポレオンのところだ。
かりかりとノートに文字を書く音が聞こえる。ノートぐらいはとっておくらしい。提出があるからだとは思うが。

自分も含め、ここにいる人たちはなぜ高校に通っているのだろうか。勉強がしたいから──そんな理由は一昔前のものになって久しい。大学全入時代どころか高校全入時代になってしまっている現代では。
私の親の世代ですらそうなのだから今ではそれがさらに進んだ状態と言えよう。今では中卒でできることなど縁故就職ぐらいしかない。それができなければただのニートかフリーターだ。
そんなわけだから、皆がこぞって義務教育でもない高校進学に走る。そしてまた高校卒業資格がないと何もできない社会が進んでいく。なんとも悪循環だ。
私たちはその被害者なのだ。入りたくもない高校に入らざるを得ない状況を作り出した先人達の。
まともに授業になっていな授業を受けつつそんなことを思う。世界史なんて習ったところでこの先何の役に立つというのだ。私は歴史が好きなので文句言う側ではないが。数学や国語や英語ならまだ使い様があるだろうに。

時計が授業終了の25分を指し示し、今日の授業は終了となる。皆が疲れたーとかやったー!とかはしゃいでいる。…全く、今の授業のどこに疲れる要素があったというのか。
こうして1日が終わり、帰路につく。それをただ単に繰り返すだけの毎日。
朝起き、電車に乗って学校へ行き、授業を受け、また帰路につく。そんな毎日に何の意味があるというのだ。惰性のように繰り返す毎日になんの意味があるというのだ。真面目に勉強してる人には申し訳ないことを言ったな。
そんなことを憂えたところで毎日が変わるわけでもなく。今日も私は「学生」という職業を全うしに学校へ行くのだ。


なんとなく今の気持ちを吐き出してみたかった。ただそれだけ。なのでBLでもなんでもないです。
毎日がよくわらないあなたに捧げる。
2011.11.23.up



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