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「始めは痛い、とか。嫌だ、って言っていたのは誰でしたっけ?」
「あっ、は…うぅ」
始めはギチギチと音をたてていいた後孔も、今ではぐちゅぐちゅと嫌らしい音を奏でている。

「洋壱さん、いつまで抗うつもりですか? 快楽を認めてしまえば楽になれるのに」
「ぐぅ…ひっ、あ…!」
後孔が伝えてくる快感は、今にも僕を飲み込んでしまいそうに強い。けど、それを認めたくはなかった。女のように善がり、狂っていくなど。

「ほら、彼のように認めてしまいなさい。そうすれば楽になれる」
そう言って凪さんが指さした先にいたのは…──

「ひゃ、あ、ああぅ…っ」
足を大きくM字に広げて、その尻の狭間に震える棒──所謂バイブを突っ込んだ、比良都の姿があった。
「比良都、くん…?」
目に映る光景が信じられなくて、思わず彼の名を呼ぶ。

「あっ! はや、く。早く俺にも堅いのくださいっす…っ」
熱く潤んだ瞳で、凪さんの方を見つめる比良都。その目には、ありありと快楽への欲求が映っていた。
「堪え性のないやつだな。…そんなに欲しいのなら、洋壱の前に尻を掲げろ」
「はい…っ」
比良都くんは地面を這い、ベッドによじ登って僕の前へと尻を高く掲げる。
その中心では男性器を模したグロテスクな紫色のバイブが蠢いていて、僕はつい目を逸らした。

「洋壱…今からこいつを抱け」
「え…?」
 抱け、とはどういうことだ?
そいつの穴からバイブ抜いて、そこにお前のを突っ込め」
僕が理解するよりも先に、凪さんは行動に移っていた。

まずは比良都くんの後孔からバイブを引き抜き、そこに張り詰めた僕のソレを宛がう。
そのまま彼の腰が一際強く僕の腰を打ち、その反動で僕自身が比良都くんの後孔へと突き刺さった。

自身が、温かくて柔らかい場所に誘われた瞬間だった。







11.08.25.Thu


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