09





「もしかしたら少し痛いかもしれません。我慢してくださいね」
「は、はい」
痛いことって…何されるんだろう? 疑問に思いつつも、早く終わって欲しいという思いから、僕は思考することをやめた。

凪さんの手によって、腰をがっしりと掴まれる。まるで、離さないとでも云うかのように。
「入りますよ……」
彼によって解され、ぐちゃぐちゃになった後孔に、何かが当てられた。どくりどくりと脈を打つ、熱く滾った何かが。
「私が、いきますよと言ったら、息をめいいっぱい吸ってください」
ぐちぐちと、穴の場所を確かめるように動くそれ。それ自体も濡れているのか、ぐちゃぐちゃという音がする。

「いきますよ…っ」
ずぐ──っ!
「あ、があああぁぁっ」
体の中心に、何かが打ち込まれる。体が、引き裂かれそうに痛い。
息を吸い損ねた僕は、胎の中の痛みと圧迫感で全ての空気を吐き出してしまったようだ。呼吸がままならない。苦しい。
「息を吸ってって言いましたのに」
僕の腰を掴んだまま、凪さんが言う。
「そんな…こと、言われて…も」
無理だ。いきなり言われてそんなことできるはずがない。

「なら、慣れてもらうしかありませんね」
そう言うなり、凪さんは挿入したものを前後に動かし始めた。
「っ、痛…!」
「痛いと言ってますけど、あなたの後ろはおいしそうに私のモノを咥えていますよ」
私の、モノ…? 一体どういう……
ふっと、頭の中に昔友人と見たAVのセリフが蘇った。

『はっ、俺のモノをおいしそうに咥えこんでよう…嫌だって言ったのは誰だったかなぁ?』
『や、やだっ。抜いてよぉ…!』
男の太いペニスが、女の性器に出し入れされる。まるで、今の僕のように。

「もしかして…」
僕が入れられたのって、凪さんの…?

「ようやく気がつきましたか。そうです。今あなたの中に入っているものは私のペニスですよ」

ざあっと、顔から血の気が引いて行くのがわかった。







11.08.22.Mon


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