08





どさ。背中に人の重さを感じた。後ろから凪さんが乗っかっているのだろう。

ぐちゅ。
「っあ!」
いきなり、緩く起き上った自身を握られる。
「少し勃ってますね。乳首弄られるの、気持ちよかったんですか?」
「ん、う…」
耳元で囁かれながら、同時に自身を軽く擦られる。それが気持ちよくて、つい息が荒くなる。

「あ、やぁ…!」
緩く勃ち上がっていた自身も、擦られるうちに天を突くまでになっていた。もう、少しの刺激で達してしまいそうだった。
「ここをこんなにして…そろそろイきたいでしょう? イかせてあげますよ」
最後の一言が言い終わらないうちに、凪さんの手が勢いよくそれを擦る。
あ、ああ……ぁっ!」

ぶじゅ! 白濁が、勃ち上がったそこから勢いよく飛び出した。

「っはあ……」
達した後の快感で荒くなった息を整える。
──と、尻の方に何やらぬるりとしたものが触れているのがわかった。
「何…?」
「本番に入ろうかと思いまして、ね」
顔は見えないけれど、笑っているとわかるような声で凪さんが言う。
その言葉と共に、ぬるりとした液体が尻たぶの間に擦りつけられる。

「気持ち悪…っ!」
いきなり、液体の滑りを借りて細長い何かが後ろの孔に入ってきた。
「え、何……?」
普段は出ていくところでしかないそこに何かが侵入してくる感覚。違和感と嫌悪感がそこから伝わってくる。
「ああ、後ろを慣らしているんですよ。いきなり突っ込んだら痛いでしょうから」
「慣らす…? んぅっ」

細長いそれは、どんどん後孔の奥の方へと進んでいく。気持ち悪くてしょうがない。
「これ、気持ち悪…っ」
「初めてですから、気持ち悪いかもしれません。けど、だんだんと気持ちよくなってくるはずです」
そんなことを言われるけど、体の違和感は続いたままで。気持ち悪いままだ。

「ここですかね?」
ぐりっ。ある一点をそれが掠り、それと同時に僕はびくりと体を震わせた。
「あ、ああっ」
先程までとは違う、甘い疼き。甘美な何かを伴って、それは僕を襲う。
「洋壱さん。今触ったのが前立腺で、男性が感じる場所です」
見つけたそれに、細長いものが執拗に触れてくる。その度に僕の体は甘く震えた。

「あ、あ、ふっ…!」
口から零れる、普段の僕とは全く別の甘ったるい声。本当に僕の口から出ているのかと疑いたくなるような高い声だ。
「思わず声が出る程気持ちいいでしょう? 洋壱さんには才能があるんですかねぇ、男に抱かれる才能が」
ぐずぐずに蕩けたそこを、なおも執拗に攻め立てる。もう、やめて欲しい。これ以上、僕を壊さないで欲しい。
「も…やだ…っ」
初めに感じていた、気持ち悪さや違和感や嫌悪感はなくなったけど、その分快感が僕を襲って。大きすぎる快感の波に押し流されてしまいそうで。僕が僕でなくなってしまいそうで。

「早く、終わりたいですか…?」
後ろを弄る手を止め、凪さんがそう聞いてくる。考えもせずに、こくこくと首を縦に振る。拷問のようなこの時間を早く終わらせてしまいたい。そう、思って。

早まった判断など、悪い結果しか運んできやしないのに。







11.08.22.Mon


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