07





「まずは前戯からですかね。傷つけてしまっては大変ですから」
そう言って、薄い僕の胸板にそろりと手を這わす。
びくっ! 手から伝わる冷たさに、思わず体が震えた。
「冷たかったですか? すみません、冷え性なもので」
言いながらも、変わらずに皮膚をなぞる凪さん。冷たい手が触れる度に、体が震えた。

「つ、冷た…!」
いくら撫でられても凪さんの手は冷たいままで。僕の体は震えてばかりだ。
「そんなに冷たいですか? …なら、あなたが温めてください」
「や、そん…な」
ずっと撫でても冷たいままだったのに、どうやって暖めればいいのか。僕にはわからない。

「そんな冷たいの…む、り」
その手の冷たさに誘われて、自分の肌も冷たくなっていってる。
「あなたの肌も冷たいというのなら、両方一緒に温めてしまえばいいんです」
ぎゅっ。凪さんの白くて細い指が胸の頂点を摘まんだ。

「はうっ!?」
体に、びりびりと電流のようなものが流れる。

「感じているんですか?」
言いつつも、凪さんの手は止まらずにそこを弄り続ける。
「そ、んなこと……」
感じているという言葉の意味もよくわからずに返事をする。流れる電流が、理性を焼いてく。
考えが纏まらない。頭の中がホワイトアウトしていく。ただ、流されていくだけ。

「ふ、うぅっ」
胸を弄られ続けて、だんだん電流だけじゃなくて熱まで感じ始めた。
「温かくなってきましたね」
うれしそうな声で、凪さんが言う。
「私の手も温かくなってきましたよ」
確かに、触れてくる手は先程よりも暖かくて。…それだけ自分が熱を持ち始めているということなのか。

「さて、そろそろ次に進みましょうか」
「次…?」
次って何だろう?
ぼやけた頭でそんなことを思う。
「あなたを私が抱くんですよ」
綺麗な笑顔で、笑う彼。本当に綺麗だ。

「正常位がいいですか? それとも後ろから?」
「……?」
どういうことが聞きたいのかよくわからないので、彼の顔を見つめた。任せる、という意味合いを込めて。

「じゃあ、後ろからで」
仰向けの状態でベッドに転がっていた僕を起こし、四つん這いの姿勢にさせる凪さん。

今から何が始まるんだろうか…? 濁った思考で考えてみたけど、思いつかなかった。







11.07.22.Fri


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