06





「ここは…寝室?」
踏み出した部屋の中にあったのは…大きな──キングサイズはあるだろう──ベッドと、備え付けのタンス。ただそれだけだった。
「まあ寝室と云えばそうですし、商売部屋でもありますかね」
「商売部屋、ですか…?」
ベッドしか置いていないこの部屋で一体何をしようというのだろうか?
「それも、すぐにわかることです」
どさっ。僕の体が、スプリングの利いたベッドの上に投げ出された。

「凪、さん…?」
今起こってることがよくわからなくて、僕はただ凪さんを見つめることしかできない。
「洋壱さん。恥ずかしいことを人に見られると人見知りや赤面症は治ったりすることがあるって知ってましたか?」
「え…?」
どういう、こと…?
「主に、性交渉をしているとき──要するにセックスしてるところを人に見られる、とかですね」

ぐわん。僕の頭の横に凪さんの手が着かれて、頭が揺れた。
「あなたのこと、私が慰めてあげますよ。一緒に困った症状も治って一石二鳥…素晴らしいでしょう?」
「あ、あ……」
怖い。
初めて、凪さんにそんな感情を持った。

男を丸出しにした雄の目。欲情した時の男はこんな目をするんだと、僕はぼんやり思った。







11.07.22.Fri


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