「源田せんぱーい!お昼一緒に食べましょー!」

「おお、良いぞ」


わざわざ二年の教室まで来た喧しい後輩が、源田に後ろから抱きついて纏わり付いている。実に気に食わない光景だ。気に食わない光景ランキングベスト5にはランクインするんじゃないだろうか。無表情で何かを握り締めていたら「痛い痛い!佐久間痛い!!」という誰かの悲痛な声。何だ辺見の頭か。


「何だじゃねーよ!!」

「黙れハゲ」

「ハ…!?酷ッ!」


仕方なく辺見の頭から手を離してやれば非難染みた声を上げられる。面倒臭くなって立ち上がり源田の席の方に向かえば、辺見もその後を付いて来ながら肩を落とす。コイツもコイツで喧しいが、成神のように源田に纏わり付きはしないのでまぁ良しとしよう。


「退けチビ眉毛」

「うぎゃ!」


成神を源田からぺいっと剥がせば悲鳴が上がる。オレは特に気にした様子もなく源田の前の席に腰掛ける。そして源田は困ったように眉を下げながらもオレの前に手作りの弁当を差し出す。これはもう恒例化した出来事で、源田がオレの為だけに栄養バランスを考えて作った特製メニューだ。成神はそれを見て「佐久間先輩だけズルい」と唇を尖らせる。馬鹿め、源田はオレの恋人なんだ。これはオレの為に源田が自分で考えてしている事。たかだか″好かれている後輩″レベルのお前が特別扱いを受けられると思うな。


「源田せんぱぁい、オレも手作り弁当食いたいッス〜」

「あはは、成神には成神のお母さんが作ってくれた素敵なお弁当があるだろう?」


いつの間にか椅子を持ってきて源田の横で飯を食いながら頬を膨らませる成神に源田はやんわりと断りを入れる。ざまあみろと心の中で笑いながら源田の絶品だし巻き玉子を口に運ぶ。それに、と源田が箸を置いて何か言おうとする。フラれた〜と嘆いている成神もそれに絡まれている辺見も源田に集中する。


「これはオレが勝手にしてる事なんだ。ただ、佐久間の喜ぶ顔が見たくてな」


そう照れ臭そうに笑う源田の可愛さと言ったら。オレが我慢出来ずに源田の頭に手を伸ばして見た目より柔らかな質の髪を犬にするように撫で回す。源田はそれを文句も言わずに、寧ろ嬉しそうに受け入れる。ペイントのされていない頬が僅かに赤らむのに頬が緩む。そのまま頬に手を下ろして血色の良い肌を撫でた。






君の言葉一つで満たされる易い男です
(ざわついていた胸が今はこんなにも穏やかなのだから、不思議なものだ)



***

リクエスト消化が大変遅くなり申し訳ありません!!!
佐久源はやっぱり御主人様×わんこだろjkというテイストで(キリッ)というか源田がわんこなのが可愛いと思います。
甘味成分が若干足りないような気がしますが…あと成神と辺見出ばりすぎてすみません好きなんですorz
書き直せよって場合は御一報下さいませ!
リクエストありがとうございましたm(_ _)m






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