※あきお見た目だけ幼児化

人間は、想定し得ない事態に遭遇した時硬直してしまうという事を今日学んだ。何故そんな事を学んだのかって?それは、目の前に小さくなった恋人が寝転んでいたら誰だってそうなるんじゃないかというオレの勝手な見解だ。いや、今はそんな事はどうでも良い。問題は何故不動の年齢が逆戻りしてしまったのかという事だ。


(しかし、かわいいな…)


ふわふわとした髪を不動が起きないようにそっと撫でる。あどけない寝顔に思わず表情が緩んだ。どんなに煩い子供でも、寝ている時は天使のように感じると言うが、あれは本当だったのだ。まぁ、不動は寝ている時以外でもふとした瞬間に可愛らしさを覗かせたりもするのだが。


「んん…源田…?」

「あ、起こしたか?」

「いや、別、…に…」


徐に目を開けた不動は目を擦りながら起き上がった。ああ、目も今より更にくりっとしてるんだな。呑気に顔を眺めていると、自分の体の異変に気付いた不動は一拍置いた後何じゃこりゃああああああああああと某刑事ドラマの名シーンを彷彿とさせる叫び声を上げた。


「どうしてこうなった…」

「分からないが…可愛いし良いじゃないか」

「良くねぇ!」


いつものように殴られても痛みは全くなく、宥めるように抱き締める体もすっぽりと腕の中に収まってしまう。子供は嫌いではない。寧ろ好きな方だ。嫌がって手で顔を押し退けてくる不動に無理矢理頬を擦り寄せるが、腹を蹴り飛ばされて衝撃が走った。ぐっ、小さい頃からそのキック力は健在だったようだ…。


「くっそ…一体誰の仕業だってんがっ!」


ベッドから下りてどこかに行こうとした不動だったが、履いていたズボンが擦り落ちてきてそれに足を取られたかと思うとステーンとこけた。……か…かわいいっ…!何が可愛いってこけ方が可愛い。両手を前に出してるのに顔面から転びにいくだなんて何という事だ。あああ可愛いぞ不動可愛い可愛い撫で回したい。


「…ニヤニヤしてんじゃねー!犯すぞコルァ!」

「ハハハ、そうかそうか痛かったな。よしよし痛いの痛いの飛んでけー」

「ガキ扱いすんなァ!」


鼻を打ったのか涙目で鼻を抑えている不動の前に屈み、緩む頬も隠せないまま不動の鼻を撫でれば軽く顔面に頭突きされた。これは痛い…。拗ねてしまった不動は膨れっ面で洗面所に向かってしまった。今度はオレが鼻を抑えながら不動を追い掛ける。


「み、見えね…っ」

(あ、鏡が高くて全身が見えないのか)


何とか体を見ようと背伸びする不動の微笑ましさと言ったら。写真を撮って帝国の皆に見せて和めるレベルだ。(まぁ、後が恐いからそんな事はしないが。)足をぷるぷるさせている不動を助ける為後ろから肘の下に手を入れて不動の体を持ち上げる。ただでさえ軽い不動の体が今は羽のようだ。


「ほら、これで全身見えるだろう?」

「……。」


不動を持ち上げてにこりと笑えば不動の表情が更に曇った。あ、あれ…何で喜ばないんだ…?鏡で全身どうなってるか確認したかったんじゃないのか?不動の真意が読めずにいれば不動が華麗なオーバーヘッドを決めてきた…オレの頭に。


「お前には男のプライドってモンが分からねぇのかカス!」

「お、男のプライド…?」


ジンジンする頭を抑えながら小さい不動の前に正座させられる。説教染みた言葉にそういう事かと眉を下げれば不動は嘆息した。要するに、オレの今までの一連の行動が不動の男のプライドを傷つけていたという事だ。腕を組んで呆れている不動にすまなかったと謝れば、ぽんと軽く頭を叩かれた。


「分かったんなら良い。あと腹減った」

「不動…よし!とびっきりの御馳走を作るぞっ」

「あ、その前にお前のガキの頃の服貸せよ」






小さな君に出逢った日
(嘘だろ…同い年の時のヤツなのにでけぇ…)
「不動ーオムライスに旗付けても良いかー?」
「ああん?勝手にし…お前少しは反省しやがれっ」



***

ギャグテイストの不源という事だったんですが…これギャグか…?(汗)
私ギャグ本当に書けんわぁ…無駄に甘ったるいのなら腐る程書いてるのにorz
しかしオチがない…ぜ…。
遅くなってすみませんでした!気に入らなかったら返品して下さいねっ
リクエストありがとうございました!






人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -