※二期世宇子戦敗北後捏造

全国屈指の実力とされた帝国学園は、地区大会時点で廃れていた筈の雷門中サッカー部に敗れはしたが前大会優勝校という事で全国大会出場を果たしていた。影山という柵(しがらみ)から解放された帝国は、もう一度決勝で戦う事を雷門と互いに誓い一回戦に挑んだ。しかし、その誓いは果たされる事はなかった。


「神の前では、王でさえ無力なんだよ。分かるかい?」

「ぐっ…」


ジャラリと鎖を引く指先は白く、金糸の髪はさらりと流れるように揺れる。首元を引っ張られた源田は険しい表情で目の前の少年を睨む。自身を神と称した少年は、愉快そうに美しい顔を歪めて源田に顔を近付けた。源田は、体を引こうにも鎖を目一杯引かれている為距離を取れない。そうこうしている間にも、唇が合わさる。少年は鎖を上に持ち上げ源田に呼吸をし辛くさせる事で口を開かせ、巧みな舌遣いで源田の舌を絡め取った。性に関して耐性のない源田は、それだけで息を乱してしまう。掻き乱された精神では、神を名乗る少年にはとても太刀打ち出来る筈がなかった。


「…フフ、可愛いね。源田くん」


一切の抵抗を許さないまま、少年は源田の首筋に舌を這わせた。ぞくりとした感触が源田の背筋を走る。中学生にしては体格の良い源田の首筋は決して女性のような柔肌ではなかったが、少年はその感触を気に入っていた。甘噛みして口を離すと、源田は目を固く暝り唇を噛み締めていた。耐えるようなその表情がまた少年の嗜虐心を煽る。


「その表情、素敵だね」


源田の顎を掴みじっと顔を覗き込んでくる少年に、源田は眉間に皺を寄せて潤んだ瞳で少年を睨み上げた。その光景はまるで、キリンがライオンを追い詰めているかのようだった。源田の瞳に映る不安と恐怖、怯えが酷く美しいと少年は思った。


「壊してしまいたくなるよ…」


耳元でそう囁きながらその場に組み敷けば、逃れようと必死にもがく様は滑稽で堪らない。暴れる力も日に日に弱っていったが、源田は抵抗をやめなかった。その微弱な抵抗に少年は興奮を覚え、源田のプライドを折ってやりたくてどうしようもなくなった。思うように動かない体で抵抗する源田を抑えつけて熱い楔でその体を貫けば、源田は呻くような声を上げる。唇に噛みつくように口付けて呼吸さえままならなくさせれば、源田は少年の肩を押し返すが少年は構わず源田の唇を貪った。少年の長い髪が肩から落ちては跳ねる。源田は酸素が足らずぼんやりとする頭で、少年の名を呼んだ。少年はそれに目を細めて更に深く腰を穿った。源田は頭が真っ白になるような感覚を覚えて、意識が遠退くのを感じた。


「君は百獣の王の風格さえ持つのに、僕に傷一つ付けられやしないんだものね」


でも、そんな所が愛しいよ。少年はそう言って源田が流した涙を舐め取った。






獣は爪の立て方さえ知らない
(そこに果たして愛はあるのか)



***

大分滞りましてすみません…!しかも何か裏なのにサラッとしててあのすみま…あれ?ここ謝るポイント?←
何か、照美があまりにも美しすぎてお得意の下品な描写が出来ませんでした(笑)
二期の帝国敗戦直後はこんなバイオレンスラブが繰り広げられていてもおかしくないと思います(キリッ)
こんなん物足りん!とかいう場合は遠慮なくお申し付け下さい><
リクエストありがとうございました!






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