「あっちー…」

「あ゛づぅー…」


ある夏の日の練習、雷門中サッカー部の面々は屋内練習直後シャワールームに直行していた。屋内と言えど、全国区を誇る雷門中サッカー部の練習はとてもハードな為レギュラー陣でさえも汗だくになるのが常であった。


「水だ水水ー!」

「うひゃ!つっ冷たいよ浜野ー」


温かいシャワーなど浴びる気にもならないのか、浜野が蛇口を捻って冷水を速水に噴射し出す。どっと笑い声が起きる中、皆もそれぞれ個室に入っていく。雨が地面を打ち付けるような水音が一斉に室内で響き渡る。


「っ、く…し、んどっ…やめ、…!」

「南沢さん、下の毛も紫なんですね」


そんな状況の中、神童と南沢は二人で一つの個室に入って何やら影を重ねていた。頭から冷水を浴びる事もなく、南沢は神童に壁に押し付けられ慣らしもせず後ろに二本指を突き立てられていた。痛みやら周りに部員が居る中でコイツは何をしているんだという怒りが南沢の心を巡る。


「お、い…!」

「声、抑えないと聞こえてしまいますよ?」


神童を睨んでみてもまるで意に介そうとしない。ちょっと背がでかいからって調子に乗りやがって、と南沢は苛立ちを募らせた。踵で蹴り飛ばしてやろうかとも思ったが、そんな事をして神童が個室から弾き出されれば周りの部員は何事かと不審がるに違いない。それで言及などされては堪らない、それにどうせ部員に問い詰められるのは南沢だ。


「!ひ、ぁ…」

「ここ、ですか」

状況の打破からどんどん考えが逸れていた所で、狙ったように前立腺を突き上げられる。思わず声を洩らせば、神童が如何にも嬉しそうに笑う気配がした。しまったと思った時にはもう既に遅く、指を三本に増やされて更に強く突き立てられる。それだけで力が抜けて、手を付いていた目の前のタイルに体を押し付けた。それで南沢は何とか膝から崩れ落ちそうになるのを堪えた。


「ふぃーサッパリしたー」

「うは、倉間オヤジくさ!」

「うっせ!」


シャワーを浴び終えた部員が続々と退室していくと、シャワーの音も止み始める。まずいだろこれ…こんな音が反響する場所で、シャワーの音もなくなったら…、と危機感を覚え始める南沢の事など構わず、神童は後ろを弄るだけでなく南沢自身にまで指を絡めてきた。


(正気かよ…)

「神童ー、まだ掛かるのかー?」






mae|tugi

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