ある朝の事だ。朝練に出る為に家族の誰よりも早く起きて家を出た。雷門中サッカー部は全国屈指のサッカー名門校、練習はハードだ。まぁ、さすがに一年以上も続ければ慣れてもくるけど…眠いのはどうしようもない訳で。


「ふわぁあ……ん?あれは…」


大欠伸をしながら雷門中への道を歩いていると、横を一台の車が走り抜けて停車する。そして中から南沢さんが出てきたのが見えた。すると中からもう一人、三十代かと思われるスーツ姿の男が降りてきた。オレは電信柱の影に身を隠して二人の会話に耳をそばだてた。(別に盗み聞きの趣味とかないから勘違いすんなよ)


「ここで良いの?遠慮しなくても学校の目の前まで送るのに」

「良いよ、目立つし。じゃーね」

「あ、待って篤志くん」


南沢さんが何、と答えるより早く男は南沢さんの口を塞いだ。厭らしい手つきで南沢さんの尻を撫でながら舌を絡めての朝から濃厚な路チュー。南沢さんは眉を寄せて相手の胸を押し返していた。


「…は、外では…やめろよ」

「ごめんごめん。篤志くんがあんまりにも可愛いから…」


やっと解放された南沢さんは不満そうに相手を睨んだが、男は気にせず南沢さんの口周りを一舐めして軽く南沢さんを抱き締めてから車に乗り込んだ。南沢さんは嘆息して雷門中の方へ歩き出す。オレは後ろから抜き足差し足で忍び寄り南沢さんの腰に抱きついた。


「…っ、何だ。倉間かよ」

「オレじゃ悪いんスかーエロ沢さん?」


不機嫌そうに肩越しにオレを振り返る南沢さんの耳に口を近付けて、新しいパパさんですかとからかう。ぴくり、南沢さんは肩を揺らす。無言で投げられた視線にニィと笑ってみせる。南沢さんは先程より盛大に嘆息した。




















「ああ、じゃあアレは不本意な送り迎えだった訳スか」

「そう、だよ…ッ…あの人、どうしても送ってくってしつけぇし…ン、……朝まで離してくんなかっ…ひぁ!」

「朝までヤりっぱでよく普通に部活して学校来れますねぇ、尊敬するっス」


放課後、部活が終わり殆どの部員が帰宅してから残って練習をするのを装いシャワールームで南沢さんに口止め料を払って貰う。勿論体で。生温いシャワーを二人で浴びながら、オレは南沢さん自身を口に含んで白い足に点々と残る紅い痕をなぞった。内股にまで付けてやがる。あのオッサン、大人しそうな顔して結構やるんだな。






mae|tugi

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