:スイカの日
テレビを見ていたらスイカがたくさん出てきた。赤と緑はクリスマスカラーなのになんで夏の食べ物なんだろ。食べたいなーと言ったらほのりがスイカバーとかゆうアイスを買ってくれた。種まで食えるのめっちゃすごくない? これやばくない? 丸いのは夏にジッカ帰ったときなっつってた。ジッカってどこ?
「なぁなぁー、スイカが野菜ってマジで?」
「うん」
「うっそ、どうして!?」
「木にならないから」
「えっ」
「あんな重たいのが木にぶら下がるかよ」
「たしかに……」
「ちなみに苺も野菜」
「こっわ……この世の終わりかよ」
「ま。でも果物だと思っててもいいんじゃねえの、現に売り場は果物のとこにあるし」
「いいんだ!?」
「困んないだろ、お前別に」
「た、たしかに!」
:どーしてノートの日
ほのりからノートをもらった。ついでに12色のマーカーもくれた。こないだ一緒に言ったトコ、えっとホームセンターとかゆう。そこで買ったんだって。どうしてあんなに色んなものがおいてあるのにほのりは迷子にならないんだろう! オレは危うく迷子の放送を入れられるところだった!
「僕のいない時間にわかんなかったこと寝たら忘れるっていってたろ」
「言った! っつーかどーして忘れちゃうんだ!?」
「それはお前がバカだからだけど、とにかく思い出せないっつって転がってる時間無駄だろ。これに書いておけば帰ってきたら教えてやるから」
「わー、うれしい! スゲーうれしいな!? あとほのり優しすぎると思う」
「僕もそう思う」
「オレ、字とかあんま書けねーけどな!」
「は? いつも本眺めてるのは」
「ん、んー、写真が載ってるから楽しい?」
「バカかよ……」
「ほのりって字は書ける」
「平仮名で良かったな」
:ねがおの日
夜一緒に寝ていたらほのりの肩がばきばきゆった。最近なんかチョーシワルイらしい。得意技はかたもみなので(いま決めた)とりあえずもんだ。ほのりのが先に寝たのははじめてだった。こどもみたいな顔で寝てた。
「お前マッサージうまいね」
「本当!?」
「僕が嘘ついたことあるかよ」
「ない! 1ミリもない!」
「……いや、3ミリくらいはあると思う」
「や、ない、絶対ない。オレほのりのウソわっかんねーもん、わっかんねーもんはウソにならねーじゃん」
「その理論がわかんねーけど」
「なー、ちょーっとは効く?」
「効く効く、痺れるほど効いてる、死にそう」
「ほのり死ぬの!?」
「は? えっ、なに、泣くの!? バカにもほどあるだろ!? ……冗談だよ」
「びっくりで死ぬかと思った」
「こっちの台詞だって」
:あの日
雨がスゲー降っててそーいえばオレは雨がなんで降るのかよく知らねーなと思った。ほのりがくれた『しぜんのふしぎの本』に書いてあるらしいのでちょっと頑張って読むことにしてたんだけどまあ数分で寝た。フツーに帰ってきたほのりに読んでもらった。
「そういやお前来た日も凄い雨だった」
「あ、覚えてる、もーびっしょびしょだったよな」
「お前ってここに来る前何処に居たの」
「河原」
「は? ……いや、納得した」
「ちょっと臭かった?」
「まあ、わりと、……うん」
「ほのりよくオレのこと拾ったな!? どーして!?」
「僕が知りてえよそんなの……」
「ほのり知らないことあんの!?」
「あるよ」
「ほのりのことなのに!?」
「お前、自分が生まれた日の天気は?」
「知らん」
「ほら、自分のことだからって分かるわけじゃない」
「うわー、ほのりすげー……セットクリョクある……」
「バカだ……」
:おやすみの日
ほのりの手は魔法がかかっているので頭を撫でられると秒で寝ちゃうのマジで超エイエンのナゾ。でもマホーだから多分ヒミツだな、シラネってゆわれるやーつ。
「ほのりってさーぁ」
「寝ろ」
「やーだー」
「目つぶれ」
「うーーーーーんーーーーーーー」
「唸るな、寝ろ」
「なんでほのりってオレにクッッッッソやさしいのかなってさ、」
「知らね」
「ってぜってーゆーからぁ、オレ、考えたのね」
「おー」
「分かんなかった」
「あっそ」
「でもさー、オレほのりすきだからさー、うれしい」
「……そ」
「それでいーかなって今回は許した!」
「ちゃんと自分でわかるまでここにいな」
「え、じゃーオレ一生わかんなくてイイくない?」
「はは、ばか。ほらおやすみ」
2016.5.30 ツイッター初出
BGM and inspire 「どうしてちゃんのテーマ」
2017.09.23 サイト掲載