03
「わぁ〜〜〜!巨人がいっぱいだぁ!!」
「コラハンジ! 勝手に一人で暴走するなッ!」
レイラは一人突っ走るハンジの後を追いかけガスを吹かす。
巨人の項を狙わず、すれすれの所まで近づくハンジは見ていてとても危なかっしい。
もちろんそんなヘマはしないと思うが、万が一という事もあるため後ろから追うが、レイラに一匹の巨人が迫ってきた。
「フンッ、私を食おうってか?笑えねぇな…」
アンカーを壁に突き刺し、レイラは自分を狙う巨人の背後を取り、項をいとも簡単に削いだ。
地に倒れる巨人を屋根の上から見下ろし、同時期に巨人を倒したリヴァイの元へと向う。
「兵長!増援を集めて来ました!」
「ペトラ、お前は下の兵士を介抱しろ。残りの全員は右を支援。俺は左を片付ける。レイラ」
「ああ、正面は任せろ」
「え、兵長ッ!?副兵長も!!」
右に一体、左に二体。そして正面に二体。
右はハンジが、左はリヴァイ、正面はレイラが、それぞれ巨人を倒しに行く。
「揃いも揃って、おもしれぇツラしやがって」
「どこがだよ。どいつもこいつもつまんねぇツラばっかり……だろッ!」
ザシュッ!
レイラはブレードを構え、巨人の項を削ぐ。
リヴァイもターゲットの巨人の目を潰す。
「おとなしくしてろ。そうしないと……お前の肉を綺麗に削げねぇだろうが」
項を削がれた巨人の断末魔が響いた。
「兵長…。血が、止まりません…!」
「……」
「へい…ちょ…」
「何だ」
「俺は…人類の役に、立てた、でしょうか…。このまま、なんの役にもたたずに、死ぬのでしょうか……」
「お前は十分に活躍した。そして、これからもだ。お前の残した意志が、俺に力を与える。約束しよう。俺は必ず、巨人を絶滅させる!」
「兵長…。彼は、もう…」
「最後まで聞いのか、こいつは」
「ええ、きっと聞こえてましたよ。だって、安心したように眠っている…」
「ならいい」
また一人、仲間が死んだ。
壁外調査の度、人が死んでゆく。
もう何人死んだかわからない。
「リヴァイ、レイラ、退却だ」
「エルヴィン、どういう事だ」
「まだ限界まで進んでねぇぞ。俺の部下は犬死か?ああ?」
「巨人が街を目指して一斉に北上しはじめた」
「それじゃあ…」
「五年前と同じだ…。街に何かが起きている。壁が、破壊されたかもしれない」
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