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06





地下室。

エルヴィン、リヴァイ、レイラはそこにいる人物が目覚めるのを待っていた。



「!?」

「何か…質問はあるか?」

「あ、あの…!ここは…どこですか……?」

「見ての通りだが、地下牢とだけ言っておこう。今キミの身柄は憲兵団が受け持っている。先ほどようやく我々に接触の許可が下りた」



エレン・イェーガー。

表向きには極秘裏に進められていた巨人化生態実験の成功者として名を広めたが、その正体は未だ不明。

気絶した彼の身柄は憲兵団預かりとなり、地下牢に移動された。

エルヴィンが言った通り、交渉の末ようやく上からの面会許可が下りた。

そしてエルヴィンは懐から一つの鍵を取り出し、エレンに見せる。



「その鍵は!」

「ああ、キミの持ち物だ。後で返すよ。キミの生家、シガンシナ区にあるイェーガー医師の地下室。そこに巨人の謎がある。そうだね」

「…はい、おそらく。父がそう言ってました」

「お前は記憶喪失、親父は行方不明か。ずいぶん都合のいい話だな」

「リヴァイ、彼が嘘をつく理由はないと結論付いたハズだ。そうだろう?レイラ」

「ああ。結局の所、生かすも殺すも上の自由。このまま放っておけば、お前は十中八九殺されるのはオチだ。そうなれば、選ぶ言葉は自ずとわかっているな。エレン・イェーガー」



エレンが人類にとって有益でない限り、上は必ずエレンを殺す命令を下すだろう。

巨人は人類の敵。

しかしエルヴィンは巨人の力で巨人を倒そうと考えているらしい。



「まだまだわからない事だらけだが、今すべき事はキミの意思を問う事だと思う」

「意思、ですか…」

「キミの生家を調べる為にはシガンシナ区、ウォール・マリアの奪還が必要となる。破壊されたあの扉を速やかに塞ぐには、飛躍的手段…キミの巨人の力が必要となる。やはり、我々の命運を左右するのは巨人だ。超大型巨人も、鎧の巨人も、おそらくキミと同じ原理だろう。キミの意思が鍵だ。この絶望から人類を救い出す、鍵なんだ」

「俺が……」



フラッシュバックする過去の記憶。

巨人に食われて死んだ母の最後。

その時思った言葉。

駆逐したい。

巨人を一匹残らず、この世からッ!!



「おい、さっさと答えろクズ野郎。お前がしたい事はなんだ」

「…調査兵団に入って、とにかく巨人をぶっ殺したいです……!!」

「ほお……。悪くない」

「…リヴァイ?」

「エルヴィン、こいつの責任は俺達が持つ」
「達!?おいリヴァイ、まさかそれには私も入ってるんじゃないだろうな」

「…入ってるに決まってるだろうバカかおま「お前にそんな事言われなくねえよッ!」

「とにかく、上にはそう言っておけ。俺はこいつを信用したわけじゃない。こいつが裏切ったり暴れたりすれば、すぐに俺達が殺す。そうすれば上も文句は言えんはずだ。俺たち以外に適役がいないからな。認めてやるよ、お前の調査兵団入団を」

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