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帝光中には今は古くなって使われていない女子トイレがある。

そこにはトイレの花子さんが住んでいるという噂があり、なかなか人が寄り付かない穴場になっている。

しかしそれはただの噂ではなく、本当に“居る”のだ。



「久しぶり花子さん」

「あらミコト……。最近ずいぶんご無沙汰だったじゃない」

「ちょっといろいろあってね。で、聞きたいことがあるんだけど」

「他でもないアナタの頼みごとだもの。なぁーんでも聞いて」

「それはよかった。でね、聞きたいことなんだけど………この学校に、あたし以外にも“力がある”奴がいるね」

「………ええ、いるわよ」



ミコトの質問に顔を強ばらせる花子さん。

やっぱりね。

そう言ってミコトは腕を組んで壁に寄りかかった。

キセキの6人をまとめて裏世界へ飛ばすことができるほどの力の持ち主とは一体。



「ミコト、あの子に関わるのはキケンよ。関わらない方がいいわ」

「どうして?」

「あの子はアナタより強い。しばらくは大人しく、アナタが秘めてる“あの力”は使わない方がいい。あの子はきっと、アナタのその力を狙ってるに違いない」

「あの力は、あたし以外に使うことは出来ない。大丈夫よ」

「だといいけど……。油断しちゃダメよ」

「わかってるよ。大丈夫」




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