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中学時代。
この頃から私はすでに猫をかぶっていた。
むしろ小学生の頃からと言っても過言ではないと思う。
そしてこの中学生の時、私はあの人に出会ってしまった。
妖怪サトリと……。

「………」
「なんやそない眉間に皺寄せて」
「誰のせいだと思ってるんですか今吉さん…」
「誰のせいなん?」
「あんただよ…!」

はぁ……疲れる。
この人だけは読めないわ。
気づけば勝手にこの人のペースにはめられてるし、敵に回したくない人ナンバー1ね。うん。

「バスケ部のマネージャー、なってくれる気あらへん?」
「だからないですって、何回言えば気がすむんですか」
「え〜」
「あなたみたいな人が『え〜』って言ったって全然可愛くないです。むしろキモイくらいなんでヤメテもらえますか」
「見かけによらずえげつないこと言うなぁ」
「(それをあんたが言うんかい…)」

今吉さんは私より1つ上の先輩で、暇さえあれば…と言うよりいつも勧誘という名目でうちのクラスに来ていた。
なんでそんなに暇の。
むしろこれだけ時間があるなら他にでも探しに行けばいいのにと常々思っていた。

「お前も苦労してるな。来栖」
「あの人あんたんとこの部長なんだから、あんた止めてよ」
「ふはっ、そりゃムリな相談だな」

花宮ともこの頃からの付き合い。
もうかれこれ5年目に突入。
え、てかもう5年経ったの?
時が経つのは早いねぇ。
にしてもよく頑張った私。
こんなのと5年も顔合わしてたなんてすごい。
自画自賛?
そんなの別にいいじゃない。
だって本当にすごいことなんだもの。

「今度練習試合があんねん。その時だけでもええから来てくれん?」
「はぁ…。なんで私なんですか?別に誰でも」
「それはアカン」
「「?」」

なんか目がマジなんだけど……。
怖いって言うより別の何かを感じた。

「足がな、」
「…足?」
「きれいやん、メッチャ」
「「………は?」」

足?
何、足がどうしたの。
メッチャって何。
メガネがきらーんと光った感じがしたんだけど、あれは何?気のせい?
その後ぐいっと肩を掴まれ、足についてめちゃくちゃ語られた。
すごく不気味で気持ち悪かったです。はい。

とまぁこんなことがあったので、私は今吉さんが苦手です。(まる)


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