弱点 [ 32/43 ]
「・・・ちょっと。」
這わせていた手を払われる。
・・・あとちょっとだったのに。
諦めきれずに、またもそもそと手を這わせる。
あの膨らみをどうしても触りたい。
「・・ねえ、ちょっと、リヴァイ!」
「チッ・・なんだよ。」
捉えられた手から逃げるのは簡単だ。
簡単だが、またすぐに捕まる。
目的がバレているから当たり前にこちらの動きが読まれている。
「なんだよ。じゃないでしょう?なんなの、この手は!」
布団から引っ張り出された不届き者の手はさながら晒し者だ。
「・・・触りたい。」
「だめよ、だーめ。」
「なんでだよ。触らせろ。減るもんじゃねえだろう。」
「リヴァイ、触るだけじゃ済まないでしょう?
明日の訓練に響かせたくないの。おやすみ!」
「・・・・・・。」
無理矢理就寝の挨拶で締めくくられ、布団の上でしっかりと指を絡ませられて拘束されてしまった手が肌寒い。
まだ夜の空気はひんやりとして、腕を出して寝るには早いんだ。
確かにナマエの読みは否定出来ない。
だが結局最後には求めてるのはナマエも同じじゃねえか。
この最初のかたくなさをこじ開ければ、ずるずると快感に溺れさせる事が出来ると分かっていた。
布団の上から、既に半分寝つき初めている身体を抱きしめる。
布団の柔らかさと相まって最高の抱き心地だ。
このまま寝てしまうのも悪くはないが、今日は折れてやるつもりはない。
「なあ。ナマエ。」
埋もれさせていた毛布を押し下げて、甘えるように白い頬に顔を寄せる。
ちゅ、と口付けると、もぞもぞと動いて「もう。仕方ないなあー。」と言って布団を肩まで掛けて囚われていた手を中へ入れてくれた。
よしよし。作戦通りだ。
許しが出た場所までそっと手を這わせ、膨らみを包む。
柔らかさにとろけてしまいそうになる。
「・・・あのう。リヴァイさん・・”当たってる”んですが・・。」
「気にするな。生理現象だ。」
そう言いつつぐりぐりナマエの腰に愚息を押し付けると、身の危険を感じたナマエは大人しくなる。
できるだけ刺激しないようにしてこれ以上気持ちが盛り上がらないようにする配慮らしいが、これは逆効果だという事にまだ気づかれてはいない。
大人しくなったのをいい事に、ゆっくりとマッサージのように揉みしだくだけだった動きに少し抑揚をつけて様子を伺いながら、また手を払われてしまわない程度で突起にも刺激を広げていく。
刺激が突起に移るにつれて徐々に深く、荒さを持ち始めた呼吸に口元が弧を描き、その呼吸に合わせて上下するピンと立ったソコに吸い付く。頑なな身体を開くナマエの弱点。
気持ち良さげに震える背中をしならせ息を吐いて、寝てしまう気などすっかり失ったナマエを意気揚々と組み敷いた。
今日も無事に事に及べそうだ。
ナマエの身体に弱い飾りがある事に感謝して。
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