倦怠うたい
生温い柑橘の
その端をさあ、一欠片
刺激を剥がして
口づけに酸味
瞼を深く侵し
袖をきる
例えば世が先へ逝き
無知な君は未だ
そういうものと夢見ている
扱い知らずの愚かな手
輪郭ばかりの清廉
焦らしカラメル
しぼりたてドロップ
がらんどうに情動
ああなんて扇情的な
詰め襟は耐えがたく
ああ、今直ぐ君を
傘の下に認める
幼き日には澄んだ色を好み
心中したく願い出た次第
飾りものの愁い
そうさ急いている
その他など塵にも満たず
只だ徒然に
情の優劣など
論ぜられずに連なるは
僕も有象無象の一人であった
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