亜心臓 目を覆う掌 暗く明けゆく 後ろ手に祈る 帰る場所はなくても 殺した言葉を握りしめ 見送られずとも 翳るあかを夢見る ああ、きっと 早くお寝み 奪うことさえできれば 視界のついた嘘 引き剥がすように 溶けだした新緑 それは果たして 透かし見る命 何もなかったのだと 不在にかさねた唇 思いの溺死 雨煙 青に焦がれた愚かな きみは生きればいい 一過に咲く 贈られた空色 ゆく路はあおい