立ちきえ
踏みゆく人
夏知らず
とめてしまう
透かし緑
酒に華
かなしくない
差出人名
からり
夏葬の日
彼の人の白昼
風吹きて
さやけし
辞世とその花
あを酔い
流罪の真夏


その暴言に肯定をして立ち去った人の影
掬える網をさがした
灯火と金魚の揺らめき
向日葵とレンズ
紺地に一輪
あの日ばかりが記憶
色冷めた酒華
そういう役回りだと傘を傾けた優しい手
浸水の夕立
透かし扇子に涙
全てを集めた結晶が憎い
酷く冷たい足先と冷めきれぬ熱
心酔の遊宴

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