きみが殉職するその日には
スプーンを握ったきみに笑顔で挨拶
向かいのきみと疑問符に微笑み
手を振る朝の空気を掌に閉じ込めて
「じゃあね」は僕が両手で受け止めよう
置き忘れた時計と廊下をひとまわり
慣れた景色にきみを思い出す練習
記憶の声からきみだけを消す練習
部屋には真昼の光をいっぱいに詰めて
味気ない空気を暖めて封を
そして星を見ながら誰よりも長く起きていて
そのときにはきみの名前を呼ぶ
針があった空間をひとつひとつ数えて待とう
きみの最後に現れた光は、どうか僕でありますように
▼きみが…のあとを
死にゆく、消えゆく、目を閉じる、星になる、
や
「」内・人称表記を変えるなど
テーマに応じて改変してみると幅が広がります
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