Cross Space | ナノ




軟禁より甘いんじゃないのかしら、エイリア学園って馬鹿なの…?

グランが用意した部屋は驚くほど綺麗で、むしろ気味が悪かった。
窓は大きく開くもので、外に脱出するのも簡単そうだ。
外に赤外線が貼ってあったりしたらお手上げだが。

にしても星が綺麗、まるで宇宙みたいね。


1時間ほど部屋にあった本などを読んでいた。
しかし部屋にいてもすることはあまりないし、ここの地形を把握するためにも部屋の外に出てみることにした。
と、そこに冷たい雰囲気を与えるような銀髪の男の子がいた。



「はじめまして?って言うのも変ね、わたしは桜陵十架って言うんだけど」
「……貴様が例の女か」
「やっぱり有名なのかしら、わたし」
「ああ、何故かは知らんが貴様が来ることをグランがよく話していたようだった」
「へえ…」


銀髪の男の子はあまり喋らなかったのだが、ずっと暇だったわたしには少しの会話でもとてもうれしかった。


「そういえばあなたの名前、聞いてなかったわね」
「…ガゼルだ」
「ふうん、エイリアの人ってみんなそういう名前なの?」
「当たり前だろう、宇宙人だからな」
「…ねえそのネタまだ引きずるの?どうみてもあなたたち人間じゃない」
「まあ普通そう思うだろうな、少なくとも私達は人間だったぞ」


だった、という言い方に疑問を覚えた。
以前は普通の男の子だったのだろうが、おそらく現在は人間とは言えない存在らしい。
憶測だがということは何かによって強化された…というようなことだろう。


「わたしにはわからないけれど、とにかくいろいろあったらしいわね」
「ああ、だが私は別にこれが間違ってるとは思っていないぞ」
「今は、それでいいと思う。でもね、あなたのために何かをしてくれる人は必ず現れるわ、それを忘れないで欲しい」
「やはり、貴様は良く分からない奴だな」
「いつかわたしの言っていることが分かればいいわよ。そのときにでも本当の名前を教えてくれたら嬉しいわね」
「…約束してやろう」


氷のような男の子、ガゼルはそれだけを言い残し、どこかへ行ってしまった。
わたしと変わらないような年齢の子がこのような場所で、わけのわからないことをするよりも、もっと大人の影が差さない場所で自由に生活する方が良いに決まってる。
エイリアのトップにいるであろう大人はやはり考えていることがおかしい。


にしてもここの情報が少なすぎるわね、どこかに馬鹿はいないかしら。
いたら喋らせるんだけど。


Belief





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11/10
ガゼルさんこんなキャラでしたっけ


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