Cross Space | ナノ




「…そん、な、ことって」
「十架、大丈夫?」
「そんな訳ないじゃない…だって、あの影山が…」


北海道からもう帰ってきたと言うのに、十架の震えは今だ止まらない。
それほど影山が十架にとって脅威なのだろう、エイリア学園よりも。


「とにかく落ち着きなよ、それじゃあ正しい判断もできなくなるよ?」
「…そうね、あなたが言うことにしては一理あるし」
「何だか一言多いよね、君は」


十架は何かに目覚めた顔をして、勢いよく立ち上がった。
瞳は先程とは違い、もう迷わない、という決意をしている。


「…なら早速で悪いんだけれど、あなたハッキングとかできるかしら」
「…いきなり怖いこと聞くね」
「とにかくパソコンが必要よ、まずは情報収集からだわ」
「一応君は人質さんなんだけど、…まあいいか」



数十分後、グランにはその手の才能があったのかなかったのか、ともかく影山とここエイリア学園が繋がっていることが発覚した。
エイリア学園が影山に支給したのは『エイリア石』と呼ばれる、紫に光る鉱物のようだ。


「へえ、エイリア石が渡されてるのか…影山さんは新しいチームでも作る気なのかな」
「…どういうこと?」
「簡単に言っちゃうとね、このエイリア石があれば超人的な力が手に入るんだよ」
「…つまりあなたたちエイリア学園の強さの源なのかしら?」
「まあ…半分ぐらいは合ってるかな」


秘密だよ?と言って十架に笑いかけるグラン。
その笑顔がいつもの何を考えているかわからない彼と違っていて、少し罪悪感を覚えた。


「つまり、影山がこの石を誰かに渡して、それで新しいチームを作る…それなら多分鬼道が狙われるわね」
「雷門の敵になるから、父さんも協力したのかな」
「ええ…その可能性は高いわ」


やることは無限にある。
しかし実際に出来ることは極端に少なくなる。
今の十架はあくまでも人質だ、情報を得ることはできても、情報を伝えることはできない。


「…次、イプシロンはいつ雷門と勝負するのかしら」
「イプシロンは漫遊寺に行くらしいけど、さて…どうする気かな?」



Detection
(行くに決まってるじゃない)
(どうやって?)
(…それは)



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03/13
早く真帝国書きたいという割には何もストーリー考えてないわけですが


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