Cross Space | ナノ




守を再びこの目で見た次の日。
雷門中とジェミニストームの試合は行われ、雷門中が勝利した。


「つ、ついに勝ったんだ!エイリア学園に勝ったぞー!!」
「「やったな円堂!!」」
ああ!」


雷門中が勝ったことは喜ぶべきことなのだろう。
しかし、ジェミニのメンバーはどうなるのだろうか、それが気掛かりで冷や汗が止まらなかった。
それに雷門中のメンバーは、ジェミニがエイリア学園の全てだと思っている。
まだこれの上が存在するとも知らずに。


「…グラン、ねえ」
「あーあ、…負けちゃったね」
「レーゼ達、そのままあそこには戻れるの?教えてよッ!」


十架の激昂を見るとグランは肩を落として目をつぶった。


「…俺もどうなるかなんて知らないんだよね」
「え…」
「父さんが許せば戻れるけど、全部そういうのは父さんが決めるから」
「父さん…?」
「おっと、喋りすぎちゃったかな…あと、残念だけど父さんは許してくれなかったみたい」
「何で、わかるのよ…」


グランがそう言うと同時に、気がつけば守たちの前に新しいエイリアのチームが、


「イプシロン…の、人たち?」
「そうみたいだね、試合するのかな」


「レーゼ、たった今お前たちを、…エイリア学園より追放する」
「…デザーム様あッ!!」
「並びに雷門中の諸君、ここでお前たちを倒す」
「「…エイリア学園はまだいたのか!?」」


何と言うことだろう、これはまったくどういうことなのだろう。
ジェミニのメンバーはエイリア学園から追放する、とたった今、白恋のコートに立つデザームはそう言ったのだ。


「…恐ろしいわね」
「何がかな?」
「あなたも、エイリアを上で操ってる大人も全部よ!…冗談じゃないわ、負けたらそれで使い捨てだなんて、冗談じゃないわッ!」


十架は少し前に影山が帝国から出ていき、世宇子中に行ってしまったことを体験している。
それと重なったのかもしれない、何せ昔あそこに立っていたのは他でもない十架自身なのだから。
…そんなことを知る由もないグランは目を丸くして十架の姿にただただ驚いていた。
見れば十架は泣いているじゃないか。


「…何よ」
「……ごめんね、でも俺も父さんには逆らえないんだ」


俯きながらイプシロンとの試合を眺める十架に、グランは自分の上着をそっとかけた。


Breakout
(…わたしはどうすれば良いのだろう)



----
03/07
やっとフラグがたってきましたね


戻る


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -