Cross Space | ナノ




そんなこんなで北海道である。


「はあ…想像以上に寒いわね、それにしても普通の格好もできたのね、あなた」
「そりゃ人間として来てるんだから、それより寒そうだけど俺の上着着る?」
「…それだけは遠慮するわ」
「まあいいけど、そうだ、一応お忍びだから顔隠しといてもらえる?向こうに気づかれると連れ戻されそうだし」
「それぐらいならしてもいいわよ、別に逃げ出したりしないから安心なさい」
「そうだね、もし逃げたら俺が直々に雷門に試合を挑んでまた君を奪うよ」


グランは確信に満ちた目で言った。
その様子は絶対に負けない、と過剰に実力を誇示しているようで、十架は少し違和感を覚えたが、何も気づかないふりをしてその場を茶化す。


「あら、なんだかわたし捕われのお姫様みたいだわ」
「さらったのは魔王じゃなくて宇宙人だけどね、後は王子様もいないけど」
「わたしだってただ捕われてるだけじゃないわよ?悪人を少し挑発して倒すかもしれないし」
「ははっ、本当にその通りだ。ただしそんなに簡単にやられてくれる敵じゃないのはわかってるよね?」


不敵な笑みを浮かべながら架空の話をする二人。
するとそこに見慣れた顔の男子がやってきたので十架は慌てて隠れる。
一方グランは隠れる様子もなく男子に近づきなんと話しかけてしまった。


「…あの馬鹿っ!」


「…君、ここでサッカーしてたの?」
「ん?ああそうだぜ!もしかしてお前もサッカー好きなのか?」
「ちょっと違うかな、でも君達すごいね、…あ、俺は基山ヒロト」
「ああ!俺は円堂守だ!よろしくな、ヒロト!」
「こちらこそ、円堂くん」


「「おーい円堂ー!!」」


守が来た方向からたくさんの雷門ジャージを着た人達が。
これはバレたら本格的にまずいと思い、なんとか守からグランを遠のかせようとした。
しかし肝心のグランはもうそこにはおらず、いつの間にか十架の隣に満足そうな顔で座っていた。


「あれ、おーいヒロトー?…おかしいな、確かにここにいたんだけど…」
「何言ってるんだ円堂、ここにはお前以外誰もいなかったぞ」
「…?」



「…あなたが初めて宇宙人に見えたわ、逃げ足速いのね」
「やだなあ逃げ足だなんて、ただ円堂くんに会ってみたかっただけだよ」
「あれが雷門のキャプテンよ?どうだった?」


少し悲しそうな目をしながら、溜息をついて彼は言った。


「すごくサッカーが好きな目をしてたね、君と一緒だ」
「…わたし?守には負けるわよ」
「なんだか姉弟みたいだよ、二人とも」
「うーん、まあ一応居候だったのよ、守の家に」
「一つ屋根の下?」
「…誤解を招くような言い方しないの、守の両親もちゃんといたわよ」
「ふーん、そうなんだ?」
「何よ?…大体屋根の下なら今あなたたちとも一緒じゃない」
「それもそうだね、なんだつまらない」
「あなたはわたしに何を求めてるのよ…」


この時はお互いに人質とかそんな事を忘れて、本当に笑っていられたようだった。


Repose
(…今、なんか十架の声が聞こえたような?)
(どーした円堂!また変なこと言ってるのかー?)
(ホントなんだからなー!!)





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02/21
やっと原作に絡んできた
原作沿いとか嘘ばっかですね\(^o^)/\(^o^)/

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