星空の下で、君と。





ここは星がとっても綺麗に見える街外れの岡
そこには一人の少年と少女が満天の星空を見上げていた


「わぁ…すっごく綺麗」


少女が笑顔でつぶやいた
その笑顔を見て隣にいる少年も笑顔になる


「ここは知ってる人も極わずかなんでィ」


それもそのはず
少年は少女と二人で静かに星を見るために、一週間以上も夜道を歩きまわったのだから





ことの始まりは、二週間前に遡ったある日の学校


「ねぇねぇ総悟!総悟って何座?」
「なんでィ急に。
 そんなの聞いて何になるんでィ」
「いいじゃん!で、何座♪」
「蟹座だけ「あっ!蟹座は今月の運勢1位だよ!
 特に恋愛運がいいみたい。よかったね♪♪」


少女は嬉しそうに言う
少女のことが気になる少年は内心とても嬉しかった


「そんな自己流星占いなんて、効くんですかィ?」
「そこら辺のインチキ占い師よりは確信あるもんっ!」

少年は、少し黒い笑みで問い掛ける
でも少女はそんなことお構いなしに反論する



このことが切っ掛けで、少女は星が好きということを知った少年は
その日から星が綺麗に見える場所を探した
しかし、どのガイドブックにも条件に合うスポットがのっていないのだ

条件は二つ。
一つは星が綺麗に見えること。
もう一つは静かなところ。

何故静かなところが条件なのかは…まだ秘密。

そのため少年は、その条件を満たすために歩き回ったということなのだ。


「なぁ」
「ん?何?」


少年の問い掛けに少女は答える


「俺達もう高3だろィ
 受験がおわったら別の大学に行くじゃねェかィ」
「うん。そうだね」
「だけど、強くなって今より凛々しくなって、警察みたいに成長したら迎えに行きやすから」
「えっ!?」


今まで星を見上げていた少女はビクッリした表情で少年の方に振り向く


「おっお前が好きなんでィ///」


少年は照れながら自分の思いを打ち明けた

そう。
少年が静かな場所を選んだ理由は、
少女にきちんと思いが伝わるように
このベタなプロポーズがしっかりと少女の心に響くように


「待ってる!!」
「えっ」
「私も、大学に行って、もっと夢に近づいて、そしたら総悟が迎えに来てくれるまで今よりかっこよくなって待ってる!」


そう言った少女は満点の星空と同じくらい輝いていた


「ははっ
 何言ってやがんでィ
 今よりかっこよくなってるのは俺でィ♪」


そう言った少年も少女と同じくらい輝いていた

満点の星たちは、そんな二人を包みこむように光っている


季節は冬。12月。

街はクリスマスで彩る中

誰も知らない星が輝く岡

そこには…。




星空の下で、君と。


(私しか知らない、ベタなプロポーズ)



END







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