黄瀬side




見てしまったんだ。


あの赤司っちが


なまえっちに"ありがとう"って言われて


今までにないくらい嬉しそうな顔したところ。





「じゃぁ、僕はここで」


「バイバイっス!黒子っち♪」


「テツヤ、気をつけて帰るんだぞ」





赤司っちにとってなまえっちは


どういう存在なんスか?





「赤司っち」


「なんだい」


「赤司っちはなまえっちのこと
 どう思ってるんスか?」





黒子っちとは反対車線なため


ここからは赤司っちと俺の2人きり。


ちょうどいいっスから


たまには赤司っちのこと試してみるのも悪くないっスよね。





「なまえ?
 あいつは有力な選手だよ
 男バスに欲しいくらいだ」


「えっ」





あ。そうくるっスか。


ほんとに赤司っちは。


典型的じゃないっていうか


青峰っち達とはまた違うバスケ馬鹿というか。


まぁこんなこと言ったら


明日どうなるかわからないから口には出さないっスけど。





「バスケじゃなくてっスね
 普段の生活の中でとか」


「そういう涼太はどうなんだ」


「俺っスか!?」





赤司っち、読めねぇっスよ。





「俺は仲のいいクラスメートっスよ」


「そうか。
 オレは、よくわからない。」


「えぇ、なんスかそれ!」


「ただ、なまえが努力家なのは知っている。
 前に教室の前を通ったが
 友達と楽しそうに話していたよ。
 根のいい奴には自然と人が集まってくるからな。」





気づいてないっスか?


なまえっちのことを話てる時の赤司っちは


ふわって、


優しい顔するんスよ。





「じゃぁ、俺はここで降りるっスから」


「ああ、気をつけてな」


「赤司っち、俺応援するっスからね!!」


「なにをだ。主語をちゃんとつけろ」


「それは自分で見つけるんス!」





自分で気づけないと意味ないっスからね


って俺やっぱ仲間思い!なんちって。





「ふう。」





誰もいなくなったホームにひとり。


さっきまでとは違い静まり返った夜の駅は


なんだかちょっとだけ


寂しかった。








   




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