thank you!
「オニオン君、おいしいねー!」
「は、はぁ…」
にこっと微笑む彼女とは裏腹にオニオンは困惑していた。
目の前には色とりどりのかわいらしいスイーツが並べられており、彼女は一つ一つ大事そうに食べている。
彼女もフォークを持つオニオンの手が止まっていることにようやく気付いたのか、彼女も食べるのをやめオニオンの顔を覗き込む。
「オニオン君…?」
「ひゃあ!!」
「どうしたの…?お腹痛い?それとも…甘いもの嫌いだった!?」
彼女はごめんね〜!と言いながら申し訳なさそう表情を浮かべた。
そんな顔しないで。違うんだ。
「え、えっと………その………仮面、外すの…恥ずかしくって………」
「…そうだったんだ………じゃあこれは?」
そう言って彼女が差し出したのは今巷で話題の映える(よくわからないけどキバナさんが使ってた)ジュースだった。
これなら仮面を外さなくともストローがついていて飲みやすいし、甘いものを堪能できる。
「どう…。」
「…!おいしいです…」
「よかった!…あ、ごめんこれ私の飲みかけだった…」
「え…!」
そういうの気にするタイプだったらごめん!とまた彼女の顔を曇らせてしまった。
所謂間接キスをしてしまったオニオンはキャパオーバーをしてしまいプシューっと音が出そうなくらい赤面してしまった。
「だ、だ、大丈夫です…き、気にしませんから…!あなたこそ、気にならないんですか…?」
「オニオン君のこと好きだから大丈夫だよー!」
「す、すすすす…!?」
先程よりも真っ赤になり、これほどまでに仮面をしていてよかったと思う日はなかったオニオンであった。