不二周助の妹です。


「詩音、」

「…兄さん…!?」

「やぁ久しぶりだね。」

「なんでここにいるの!?」

「なんでって…詩音に会いに来たんだよ。」

「いや、毎週土曜は家に帰ってるじゃん。」

「週一回なんて足りないと思わない?」

「思わないよ。だいだい週一って多すぎると思わない?兄さんが週一じゃないと立海に転校するなんて訳分からないこと言い出すから仕方なく帰ってるんだよ。」

「可愛い妹に毎日でも会いたいと思うのは当然のことだろう?それなのに週一なんて…うん、やっぱり足りないな。詩音不足だよ。」

「意味分かんないんだけど。」

「今日はもう帰るんだろう?一緒に帰ろうか。」

「いや、今先輩と遊びに行く約束して待ってるんだけど。」

「…なんだって?」

「開眼しないで。」

「実の兄の僕を差し置いて立海なんかの先輩なんかを優先するのかい?」

「なんか多用しすぎだろ。もう、早く帰ってよ。」

「分かったよ。詩音の家で待ってるから鍵貸して。」

「…東京帰ってよ。」

「なんで?」

「いや、なんでって明日学校でしょ。東京帰りなよ。」

「分かった。鍵貸して。」

「分かってねぇだろ。貸さないからね。」

「仕方ないな…じゃあ合鍵で入っとくから、」

「おいおいおいおい待て待て待て。」

「ん?」

「今何つった。」

「先に入っとくから、」

「違ぇ。合鍵って何だ。」

「だから詩音の家の合鍵。」

チャリ

「……いつ、作ったの。」

「え?こないだ遊びに行った時に。」

「…はぁぁ…鍵変えないと…」

「なんで?どうして?」

「開眼して迫らないで、怖い。」

「詩音は僕のこと好きじゃないの?」

「兄さんのは兄妹としての何かを越えてるよね。」

「だって僕と詩音は、それ以上の関係だろう?」

「違いますけど。」

「つれないな…やっぱり立海に入学を許したのは間違いだったのかな。」

「何が何でも立海を非難したいんだな。」

「裕太も全然帰ってこないし…。」

「ルドルフね、いいよね。私も裕ちゃんみたいに全寮制に行けばよかった。」

「詩音が全寮制…?そんなことしたら殆ど会えなくなるじゃないか。」

「だから行くんだよ。」

「いつからそんな子に…やっぱり立海の、」

「せいじゃないよ、兄さんのせいだよ。」

「…。」

「…。」

「その兄さんって言うのも気に入らないな。」

「は?」

「裕太は裕ちゃんって呼んで僕は兄さんっておかしいだろう?」

「小さい頃から呼んでるじゃん。」

「僕たちはもう子供じゃない。」

「いや…うん、なんかその響き否定したいな。」

「僕はもう詩音のスカートから伸びる太腿だけじゃ我慢できなくなってきたし。」

「我慢するしないの話じゃないな、ソレ。」

「スカートのナカにこそ興味があるようになったし。」

「それ妹以外に使ってくれないかな。」

「もちろん通行人の綺麗なお姉さんのスカートのナカにも興味あるよ?」

「うん、健全な青少年ということは分かったから黙ってくれ兄さん。」

「でもやっぱり詩音が知りたい。」

「…はぁ。」

「だから兄さんなんて呼び方から変えるべきだと思わない?」

「…はいはい、何でもいいよ。で?」

「周助くんって呼んでよ。」

「えぇ…そこは周ちゃんとかじゃないの?」

「だって『ちゃん』だとちょっと子供っぽいだろう?」

「そう…?でも兄さんなら周助って呼び捨てにしろって言うのかと思ったよ。」

「うん、それもいいなと思ったんだけど。」

「けど?」

「『くん』の方が彼氏っぽいし、」

「……はぁ、」

「それに…ベットの中でだけ呼び捨てっていうのも良いだろう?」

「まぁ一緒にベットの中に入る日はないけどね。」

「えッ…!?」

「逆にあると思ったの!?」

「照れ隠しだよね。ビックリした。」

「え、ちょ、こっちがビックリなんだけど。なんて自分に都合のいい解釈しかできないんだ!立海にもいるけどね!そういうお方!!」

「…何だって?まさか、男…?男友達がいるの?許さない、許さないよ。僕に似てるからって絆されたんだね。でも騙されないで。詩音の周助はここにいるよ!サボテンと共に!!」

「ちょ、うるせぇよ!!ここ校門だよ!!ただでさえ学ランで目立ってるのに変な事叫ばな、痛たたたたたっ!!痛い痛い!!サボテン刺さってる!何でサボテン持ってんだよ、馬鹿!もう馬鹿!!」

「このサボテン花が咲いたんだ。詩音に見せようと思って。」

「わぁ可愛い。もうしおれてるけどね。」


「詩音!」

「あ、幸村先輩!」

「ごめんね、待ったかな?」

「いえ…大丈夫です。」

「…幸村…僕の詩音を呼び捨てなんて…いつからそんなに親しくなったの?」

「…ねぇ詩音。なんで不二がここにいるの。」

「さ、さぁ…」

「質問に答えてないよ幸村。」

「痛っ!ちょ、痛いんだけど。サボテンこっちに押し付けないでくれる?」

「綺麗だろう、この花。君の血を吸うことによって満開に花開くんだ。」

「怖い怖い。そんな訳ない。ちょっと兄さん本当に帰ってよ。」

「詩音っ僕よりもこの男を選ぶの…!?」

「この男って失礼だな。今から出かけるんだから不二は早く帰ったら?東京に。」

「黙ってて幸村。これは僕と詩音の問題だ。」

「いや、割と幸村先輩関係あると思うんだけど。」

「詩音、早く行かないと予約の時間になっちゃうよ。」

「あ、そうですね、すみません。ほら、早く帰っ…ちょ、開眼しないで。なんか血走ってるんだけど。」

「ふふ…赤也みたいだね。」

「笑ってる場合じゃないです幸村先輩。」

「予約…?なに、なんの予約?」

「レストランだよ。詩音と一緒に夕飯食べようと思って。いつも混んでるから予約しておいたんだ。」

「詩音は僕のだよ。」

「ふふ…それはどうかな。」

「……同属嫌悪…」

「「何か言った?」」

「いえ、何も。」


end

「お邪魔します。」

「ちょっと散らかってますけど…」

「そう?綺麗だよ。おしゃれだし。」

「はは、ありがとうございまきゃあああああ!!!」

「詩音!?」

「お帰り、詩音。幸村がいるなんて聞いてないよ。」

「兄さんがいるのも聞いてないよ!!」

「はぁ…どれだけ邪魔するの不二。俺は今日泊まってくんだよ。」

「…認めない。帰れ。」

「ちょっと兄さん…」

「二人の時は周助でいいって言っただろう?」

「それベットの中とか言ってなかったっけ?」

「まぁ今日詩音とベットにいるのは俺だけどね。」

「幸村先輩!?」

「僕と詩音はもう一線を越えてるんだ。」

「誤解を生むね、それは!!もう帰れ!!!!」




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -