沈め石 05
帰宅した叔父に日傘のひとのことばを伝えた。あの白いひとをそう呼ぶことにしたのは、あのひとが立ち去った玄関からは日傘がなくなっていたからだ。
「彼女は古い馴染みなんだ。どんな鍵にしても、開けてしまうんだよね」
叔父が困った顔をした。困った顔をしてはいるけれど、それと同じくらい嬉しそうだった。
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