夢と現の狭間で






試し
(青) 汚いものは腐るほど、綺麗なものはほんの少し。汚れきった自分が、闇に堕ちるのは簡単だった。でも、踏み止まれたのはきっと……。たった二つに救われた青年は、愛しい面影を胸に抱き何処かで生きていると信じている親友を思う。見上げた空は、悔しい位に綺麗だった。

12:00
(黄)俺は太陽みたいだって君は言うけれど、本当はちょっと嫌なんだ。だって太陽と月は同じ空にはいないだろう?月みたいな君と太陽みたいな俺、何だか不吉な気がしてさ。なんて言ったら君は弱気な俺はらしくないと笑うかな。それとも、それでも一緒だって言ってくれるかな。

12:20
(白)私が犠牲になれば助かる命がある。その中には、とても大切な二人もいて。ごめんね、約束したのに。ごめんね、待っててくれって言われたのに。生きたいと願えば二人は助けてくれるだろうけど、その先に二人の犠牲があると知っているのに生にしがみ付く事なんてできない。

12:40
(紫)あの時船を選ばなかったら、脱走は叶わなかった。でも他に方法はなかったのかと、光を映さない君の瞳を見る度思う。いつか俺があいつを見付け出して君が笑ってくれたら、この後悔は軽くなるかな。そうしたら、俺が君に対してずっと抱いている気持ちを伝えてもいいかな。

13:00
(黒)彼は誰に対しても優しい。それが良い所だって思ってるのに、ずっともやもやしてる。絶対知られたくないのにうまく笑えない。ほら今だって、他の人達に頼まれるまま手助けをしてる。少しでいいから私を見てってそう言えたらいいのに、今日も私はただ笑って音を拾うだけ。

13:20
(黒)違和感を感じたのは最近、笑ってるのに笑ってないって。でも何でって聞けないのは原因が俺じゃないかと思うから。確証なんてないけど、俺がいる時だけみたいだから多分正解。俺が来なきゃ良いのかって思ったけど、それは無理。だって、俺は毎日会いたいと思ってるから。

13:40
(赤)いいお兄さんねって皆は言うけど、違うもの。お兄さんなんかじゃないもの。俯いてそう零す彼女を見下ろして、固まったのは数瞬。すぐに赤くなった耳に、言葉に含まれている意味を悟る。口元が勝手に緩んで来るのを止めようとするけど、きっとできてないんだろうなぁ。

14:00
(緑)ああ夢なんだなって、すぐに思った。会いたいけど会えない人達がちゃんとそこにいたから。でも夢でも会えて嬉しい筈のなのに、物足りないような気がした。気付いたのは、貴方の声がした時。願望を見せてくれるなら。貴方も一緒に出てきて欲しかった、なんて我儘かな。

14:20
(灰)君にはきっと怒られるんだろう。それとも、自分の為に犠牲になるなって怒るかな。でも、何を言われてもこれだけは譲れない。それで死のうと構わない。そうしたら、堂々と君に会いに行けるから。狂っていると言われても否定はできない。あれ以来、うまく笑えないんだ。

14:40
(朱)今日はあまり行儀のいいお客さんではないと誰かが言っていたけど、まさかいきなり腕を掴まれるとは思わなかった。不意の接触に嫌な記憶が蘇り頭の芯が揺れる。と、不意に掴まれた腕が解放されて、温もりに包まれた。今度は違う意味でくらくらする。赤くなった頬が熱い。

15:00
(橙)触るな、と口をついて出た声は自分が思った以上に低かった。警護も兼ねて早目に来ていて良かった。不遜な輩に捕らわれた君を助けだし、周りにいる奴等を睨み付ける。怒りを可視できたなら、炎のように見えただろう。逃げ出す男達の背を睨み、抱き締める腕に力を込めた。

15:20
(金)貴方は私を守ってくれる。それが親友の妹だからだってちゃんと知ってるけど、私の気持ちも分かって欲しい。今だって、平静でいられないからと部屋に閉じ籠る私を心配して、部屋の前まで来てくれた。でも、その優しさに私の心は痛みを増すばかり。お願いこれ以上貴方を…

15:40
(桜)会いたいと言わない彼女の強さは、言えない弱さでもあるのだと知っている。きっと探し出すから待っていてと寂しそうな横顔を見つめ囁けば、どうして分かるのと、彼女は泣きそうな顔で笑った。分かってしまうのは許してほしい。それだけ俺が、君を見ているって事だから。

16:00
(銀)探している色がある。何度も期待して何度も落胆して。それでも止められない。きっと自分や彼女が変わったように、あいつも変わっている筈だ。でも何故か、どんなに変わっていようと分かると確信している自分がいる。それはあの辛い日々の中、確かに紡いだ絆なのだろう。

色から連想したもの
・青:空
・黄:太陽
・白:覚悟
・紫:ミーシャの瞳
・黒:嫉妬
・黒:暗中模索的な
・赤:ミーシャぷんぷん
・緑:緑の夢
・灰:オリオンの心中
・朱:ミーシャの頬
・橙:怒りのオーラ
・金:オリオンの髪
・桜:淡い恋心
・銀:エレフの髪

以上お粗末でした。