集いし者達



 斯して、宴の準備は整えられた。

 似て非なる者達は、偉大なる王の為、その持てる力を存分に振るい。そして、その支えとなるべく集いし面々も、想いはただひたすら敬愛すべきかの人の為に。

 冬を冠する青年が赤色を腕に抱き、その両脇を固めるのは双子の人形。盗賊の二人は、どこか他人事の体で。だが意識はしっかりとこちらに向けられている。
 後ろに控える赤き悪魔のその腕には、炎と契りし娘がかの王に献上する為の補糖を抱え。
 紫眼の青年は、星見の乙女、弓使いの青年と共に祝いの西洋菓子を前に並び立ち。その後ろには雷獅子と不遇の蠍、そして子供達の姿が。佇む忠犬二人はそんな彼等に付き従うように。
 謎の航海士は皮肉気に口元を歪めながら。だがその眼差しはどこか穏やかで。
 屍揮者たる青年が、馴染んだ指揮棒を手に聖女と視線を交わす。
 扉の向こうから響く靴音に、皆が一様に瞳を輝かせた。

 屍揮者の青年は緊張に顔を強張らせながら、ゆっくりと指揮棒を掲げた。

「敬愛すべき国王陛下にご登場願おうか!」

 両開きの扉がゆっくりと開き、その向こうに待望の人影が見える。

 さあ、お誕生会の始まりだ!!







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