□引き金を引く






『…ただいま……』


ティキに連れられ屋敷へと帰ってきたカーティス。
その後ろに静かについているアル。

カーティスは静かに扉を開く。


「おう!カーティス!」
「ヒィッ!カーティスお帰り!!」
「おかえりぃ〜」


扉を開いた向こう側には、デビット、ジャスデロ、ロードが出迎えにとその部屋にいた。

この勢揃いには流石に驚いたカーティスは一瞬だけ言葉に詰まった。


『…あ、た、ただいま…』

「お前らあんまり驚かすなよ。カーティスびっくりしてんじゃねぇか」


ティキは三人の勢揃いに驚いているカーティスを見て苦笑する。


「ヒィ、ごめんねカーティス」

「わりぃ、ビックリしたのか?」


ティキの忠告を聞いて珍しく素直に謝るジャスデビ。
珍しい事もあるもんだ、とティキは謝った二人とカーティスを交互に見る。

カーティスを見たティキはまだ顔色が優れていないカーティスを部屋に移動させようと背中を押した。


「少し休んでろよ。落ち着いたらここにくればいいから」

『ティキ…』

「はいはい、そんな顔して見上げないの」


ティキはカーティスの腕を引き抱きしめた。


「「あ゛―――ッ!!!」」

「うるせぇっつの」


ティキに抱きしめられたカーティスはゆっくりと息を吸い込み、ティキの心音を聞いた。




トクン…


トクン…




カーティスは目をつむり、ティキの心音を聞いていた。



(落ち着く…)



人の心音は聞くと落ち着くのは何故なのだろう。

後ろでジャスデビが騒いでいるがあまり気にとめない。


「…落ち着いたか?」

『…少し』

「それならいい。アル、カーティスを部屋まで連れていってやってくれ」

「かしこまりました」


アルはティキに軽く頭を下げるとカーティスの前に立ち部屋への道を促す。
カーティスはアルと共に扉を閉めた。



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