□私の事情









『〜♪』


賑やかな町並みをひとり歩いていくカーティス。
足取りは軽くステップをふんでいる。
そんなカーティスに後ろから荒々しい足音が響く。

カーティスが振り返れば、それはそれは…



「「「カーティスーーー!!!!!」」」

『…?ちょ、…!?きゃーー!!!』


街中などお構いなしにカーティスに飛び付いて襲い掛かる影三つ。


『…いったーいっ!!!』

「ヒィッ!カーティス見つけた!」
「無事かカーティス!?」

「カーティス〜、独り歩きはまだ早いよぉ」


上からジャスデロ、デビット、ロード。
カーティスを心配して追い掛けて来たのだった。

ジャスデロ、デビットはカーティスの帰りが待ち切れず、ロードに着いて来たのだった。


『み、皆?』

「ヒッ!心配したよ!」

「なんで勝手に出ていったんだよ!!」


ジャスデロは半ベソかいてカーティスに駆け寄り、デビットは理不尽な怒りをカーティスにぶつけた。


『だ、だって「行けば?」って送り出したのはジャスデビでしょ!』

「「それとこれとは話が別!!」」
『…意味分かんないよ』


話の流れが全く読めない。

何についてがそれとこれとは別なのだろう。


「要するに、カーティスが心配だったんだよぉ」


まともに話せる状態ではないジャスデビに変わってロードが代弁してくれた。


『?だから何が?』

「カーティスの事情だよぉ?」

『私の?


…ああ、"アレ"ね』


ロードの言いたいことは大体分かった。
"アレ"とは何か、カーティスはあえて明らかにはしなかった。

ロードと話しているにも関わらず、ジャスデビは空気も読まずべらべらと。


「ヒッ!もうだめだからね!勝手に出歩くのは!」

「そうだ!絶対誰かを側に連れていかないと出歩いたらダメだからなっ!!」

『だ、だから、大丈夫だってば。アルもついてたんだし』

「「ダメっ!!!しかもアルいねぇじゃん!」」

「本当だぁ、ねぇカーティスアルはぁ?」


キョトンとカーティスを見て小首を傾げるロード。

その仕草が可愛いのなんの。
カーティスは思わずギュッとロードを抱きしめた。


『あ〜ッ!ロード可愛い!!
アルはね、どっかに置いて来た』

「なんでぇ?」

『秘密よ♪アルにとって幸せな場所に置いて来たの』

「幸せぇ?」


アルは神田の所に置いて来た。
後でどんな事したか報告してもらわなければ。


『そ、だから私は帰ろうと思ってた所なの』


ふぅーん?、とロードは分からずまた首を傾げる。


「幸せな場所ってぇ?」


ロードはカーティスに聞いたけれど、カーティスはロードの問いに答えず微笑でごまかした。


『さ、帰ろう?』


ロードの扉をくぐってカーティスは家へと帰っていった。



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