□まるで必然










祈るだけでは不安なの。

けれど私は待つばかり。

きっとアルなら大丈夫。

いつもあの子は帰って来てくれる。わたしが願うことを裏切ったりしない。
そういう子だから。

そう信じてるから、待てるんだ。






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目の前に広がるアクマの残骸。
10から20程のアクマ達がことごとく破壊されている。

その残骸の道を歩くアル。


(やはり、レベル1や2では太刀打ち出来なかったか…。)


小さな町はアクマの戦いの後で見事にボロボロ。人気もなく、まるで廃村のように物静かになっている。



「(―…全滅、か…)」



体を転換させずにしてしまったがために、アクマ達を全滅させてしまった。


「(…また、カーティス様を悲しませてしまうのね…)」


早くここに来れば良かった…。

主を悲しませてしまう。アルはこれを知ったら悲しむであろう主の顔を思い出し、苦しそうに顔を歪めた。





〔ガ…ザザッ……ウ…ッ!!〕

「!?」




前方の方からアクマのノイズ音と共にアクマの音声も聞こえてきた。


「1体…、生きてる…!?」

〔そ、ノ声…、ア゙ル…シア゙…?〕


原形を留められていないアクマが、アルの前方に転がっていた。

アルもそのアクマに気付いた。


〔ア゙ル…シ、ア゙…、たズ…ゲ、で………ッ!!〕

「待って!今行くから動いては駄目!!」


それ以上動けば本当に壊れてしまう。アルは急いでそのアクマの元へ走った。



あと少し…。

あと、すこし…!





アルが手を伸ばしアクマを回収しようとした時。





「馬鹿…!!?何してやがる!?」





「……え?」



気が付けば、私は黒服に身を包む男に抱えられ、爆発音と共にあのアクマは破壊されていた。



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