〔寝耳に水はある春の日に・本文〕
13th.Jun.2017
「寝耳に水は」の二人の別エピソード。
全1話。
ちなみにこのSSは今リアルタイムで執筆中です(泥縄感)
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大体出来上がりました。
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朝
出勤前
マサト「じゃあ行ってくる」
キョウヤ「あ、待って! 今日は雨の予報だから、傘を持って行くといいよ」さっ
マサト「おお。サンキュー」ぱしっ
マサト「(こいつが作る飯をいつも食べられて、見送りまでしてもらえるなんて……夢みたいだ)」
マサト「(男同士だけど、まるで新婚生活だよな)」
キョウヤ「ねえ、マサト。行ってきますのキス……してよ」
マサトよりも少し背の低いキョウヤが背伸びして顔を近づけてくる。
マサト「ん……」
軽く身を屈めて、恋人の唇に唇を落とす。
夜になればまたキョウヤが待つ部屋に帰って来られるとはわかっているが、名残惜しい。
愛し合う二人の束の間の別れだ。
〜〜〜〜〜
マサト「(……なんてことになったらいいなぁ)」にへっ
ザーザー
キョウヤ「マサト、どうしたの? さっきから一人でニヤついて」
マサト「……! な、なんでもない」ぶんぶん
キョウヤ「?? 変なマサト」
ザーザー
キョウヤ「それより、早く帰ろう!
週末はまた出張でしょ。
今日は腕によりをかけて作るから、しっかり食べて体力つけてよ」
マサト「おう。ありがとな」
キョウヤ「コンビニのお弁当ばっかりじゃ元気が出ないもんね」
自分の隣で傘をくるりと回して意気込む恋人を、マサトは温かな気持ちで眺めた。
雨の中並んだ二つの傘が同じ速さで進んでいった。
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