「なまえ…」
「っ、ん」


押し殺したなまえの吐息が、やけに艶かしく耳に響く。
官兵衛はぞわりと戦慄にも似た感覚を覚えながらも、なまえを攻め立てる手を緩めなかった。
力の抜けた状態のなまえは、官兵衛の胸に背を預けながらびくびくと身体を震わせる。
耳元で名を呼ぶだけで反応を示すなまえが愛おしくて、ついつい加虐心に火が点いてしまう。


「卿の中は熱いな…」
「…やっ、」
「嫌なのに善がっているのか…？」


なまえを背後から抱きすくめるような格好で、官兵衛の指が蕩ける蜜壷へと収まって行く。
意地の悪い言葉が耳元で囁かれ、なまえの膣壁がひくりと収縮しながら反応を見せる。
柔らかな胸を緩々と揉みしだきながら時々触れられる突起への刺激が、なまえの全身に痺れるような感覚を呼び起こす。


「官兵衛、様…」


首だけで振り向いて官兵衛を仰ぎ見るなまえに待っていたのは、官兵衛からの口付けだった。
くちくちと膣内を掻き回されながらの口付けは、今までに感じた事のないくらいの激しい快楽をなまえに与えた。
力の入らない身体は、官兵衛が支えてくれなければ今にも崩れ落ちてしまいそうなほどである。
背中に触れる官兵衛の鼓動の速さや、硬さを纏った官兵衛の雄にに気付く余裕もないまま、なまえは官兵衛の舌遣いと指遣いに翻弄される。


「なまえ…」
「っは、い」
「卿を知る男は、私だけで良い」
「はい…っ、」


返事をするや否や、激しく襲い来る絶頂の波に、なまえの唇からは嬌声が漏れた。
敢えて卑猥な音を立てながらなまえの中を犯す官兵衛の指先に、なまえの膣壁が痙攣する。
長い指が刺激する其処がなまえには強すぎる刺激である事を判っていながら、官兵衛が行為を緩める気配はない。


「っも…やめっ…」
「…良い声だな」


大きく二度身体を震わせながらなまえが達すると、官兵衛の唇がなまえの首筋へと吸い付いた。
引き抜かれた官兵衛の指から掌にかけて、なまえの蜜がぐっしょりとまとわりついている。
なまえの蜜で濡れた右手で己の雄を擦り上げながら、官兵衛はなまえの耳元に唇を寄せた。


「暫し、卿の声を堪能させてもらおう」


片腕だけで軽々となまえの腰を抱き浮かせてやると、官兵衛は反り立った其れをなまえの入口へと押し当てた。
なまえの震える吐息を感じながら、官兵衛は愛おしそうになまえに口付けを落とすのだった。



互いの愛が冷めないように
（きみを強く抱きしめよう）