sleep | ナノ

口あて越しに口付けても、なまえはそれを受け入れた。
その口あてを外そうと伸ばされた両手を帯紐で縛り上げると、さすがになまえの表情には驚愕の色が混じった。
優しくしてやりたい。頭ではそう思っているのだが、身体は意に反して乱雑になまえの夜着を乱していく。
露になる白い肌に、半蔵の唇が這い回る。
熱の籠もった吐息だけがなまえの身体を撫で、布越しの愛撫がもどかしいのか、なまえは何度も半蔵の名を呼んだ。


「半蔵様、っ何か…おっしゃってください、」
「……」


一切無言のままで突然に始まった行為に、なまえの顔は悲しそうに歪んだ。
寝込みを襲われるような形での、しかも乱暴な抱擁に、戸惑わない方がどうかしている。
頭は極めて冷静だというのに、身体がまるで別の生き物であるかのように云う事を聞かないのだ。
無理矢理開かせた両足の間に指を這わせると、なまえの身体がびくりと跳ねた。
少し時間をかけてなまえの其処を蹂躙してやると、ようやく己を受け入れられそうなほどの蜜が溢れ出した。


「半蔵、様っ…」
「…赦せ」


己の装束の下腹部だけを露にし、半蔵はなまえの入口へと自身をあてがった。
膨張した己の雄が、なまえに触れただけで熱を帯び、先端を濡らしていた事に失笑せずには居られなかった。
半ば強引になまえの中に捩じ込んだ己の欲が、なまえの熱で直ぐにでも果ててしまいそうになる。
半蔵は縛り付けたなまえの両手を彼女の頭上で押さえつけながら、素顔を晒さぬままでなまえに口付けた。
乱暴な行為にも関わらず、なまえの唇は布越しに半蔵の唇を求めてくる。
そんななまえへ罪悪感を感じながらも、半蔵は本能のままになまえの奥を蹂躙した。
任務の後の気が立った状態だからというのは、最早言い訳にはならないだろう。
好き放題になまえの中を犯し続けながらも、半蔵の脳裏には後悔の文字が浮かぶ。


「…はん、ぞっ…」


あまり慣らさずに侵入を果たしたためか、開ききらぬ膣壁がいつもよりきつく半蔵を締め付ける。
唇を離すと、半蔵はなまえの中へと速さを増して雄を打ち付けた。
果てる瞬間に辛うじて己を引き抜けば、白濁がなまえの内腿に飛び散った。
息を荒げるなまえの手をようやく離してやると、縛られたままの両手でなまえが半蔵へと手を伸ばした。
するりと口あてをずらされたかと思うと、なまえにそれを引っ張られる。
顔がなまえの方へと引き寄せられ、剥き出しの唇同士が重ねられた。


「済まぬ…」
「何故、ですか?」
「これでは、乱暴したも同然…」


するするとなまえの両手を縛っていた帯紐を解いてやると、解放されたなまえの手は優しく半蔵を包み込んだ。
驚きで身体を離そうにも、なまえは半蔵を放そうとはしなかった。


「このようなことをされなくとも、私は逃げたりはしませんよ」
「なまえ、」
「お辛いお勤めだったのでしょう?殺さなければならなかった半蔵様の感情も、私は受け止めますから」


半蔵の両の頬を包むなまえの温かな手が、再び優しい力で半蔵を引き寄せる。
隔てるもののないなまえの柔らかな唇の感触に、堪らず半蔵はなまえを強く抱きしめた。
なまえを前にしては、感情の自制がままならない。
そんな己の全てを受け止めてくれるなまえが、何より愛おしく何者にも変えがたい。
済まぬと再び謝罪の言葉を述べた後で、半蔵は触れ合ったなまえの唇をゆっくりと堪能したのだった。



君を殺したい
(それでも足りないほど、愛してる)


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -