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相手の気持ちを量れる機械があればいいのに、となまえはゴドーの横顔を盗み見た。
コーヒーを片手にソファに深々と座って足を組む姿は、とても絵になっている。
思わず溜息を吐きそうになるのを必死に堪えていると、なまえ、とゴドーが呼ぶ声が響いた。

「俺の顔になにか付いてるのかい?」
「いいえ、」
「それなら、何だってそんな熱視線を向けてくるんだ?」

ゴドーの問い掛けに思わず目を伏せると、マグカップを置いてゴドーがなまえの隣りへと移動する。
優しく髪を撫でながらどうした、と再び問い掛けるも、なまえの返答は歯切れの悪いものだった。

「たいしたことじゃないんですけど…」
「それでも俺は知りたいね」
「その…ゴドーさんの気持ちが量れたらなぁ、って……」
「俺の?」

なまえの頭を抱き寄せながら、ゴドーの声が耳元で低く響く。
もうこれ以上はぐらかせないと諦めたなまえは、ゴドーの肩に寄り掛かりながら言葉を続けた。

「ゴドーさんがどんな風に想ってくれてるのか、目に見えたら良いのになぁって思ったんです。そうすれば時々ゴドーさんを遠くに感じて不安になることもなくなるのに、って…」
「そうか。俺は逆になまえに気持ちを量られなくて良かったと思ってるぜ」
「それは…どうして、ですか?」

少し不安げ見つめ返すなまえに、ゴドーはそっとなまえを抱き締めながらくちづけた。
ふわりと漂うコーヒーの香りにくらくらと意識を奪われそうな感覚に陥りながら、なまえも遠慮がちにゴドーを抱き締め返す。

「なまえが俺の愛情を量れたら、重荷に感じるかもしれないからな。お前が引いちまうんじゃないかってくらい、愛してんのは確かだぜ」

何度もくちづけを交わしながら、ゴドーは愛おしそうになまえの髪を撫で続けた。
艶っぽい瞳で見つめられ、なまえにくちづけずにはいられなくなる。

「不安なら、その都度云えば良い。そのたびにお前にこうして示してやるぜ」
「っ、はい…」



お前の恋愛測定器は俺自身だぜ。
耳元で響いた言葉に、なまえは幸せそうに頷いた。





恋愛測定器



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