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成歩堂の言葉に導かれるように、なまえは彼に強請る。

「龍一さん、したい……」
「うん、じゃあしようか」

笑いながらくちづける成歩堂はパーカーのポケットから避妊具を取り出した。
その準備の良さが、彼の計算高さを物語っているようでなまえは少しだけ悔しさを覚える。
まるで成歩堂にはなまえが求めてくると初めから判っていたようで、それがなまえの羞恥心を煽った。
パーカーを脱ぐが、中のシャツは脱がず。
そしてなまえに対しても中途半端に服を崩した状態のまま、成歩堂は下半身に纏っていたものをずり下ろす。

「なまえも今日はそのまま。下着だけ脱いでね」

そう言ってなまえのスカートをたくし上げると、するりと下着を脱がせていく。
照れながら視線を外すなまえを余所に手にした避妊具を装着すると、成歩堂はなまえにくちづけながら其処へと彼女を導いた。

「今日はなまえが上で、ね」
「っ、ん……」

ソファにゆったりと座りながら、成歩堂は何度か膝立ちのなまえの秘部を指で擦り上げる。
奥から熱いモノが溢れるのを指先で感じ取ると、成歩堂はなまえの入り口に己を宛がった。
狭い其処にゆっくりと飲み込まれていく感覚の中、痛みと快楽に歪められたなまえの表情が堪らなく艶っぽく成歩堂の目に映る。

「、ぁ…っ」
「凄く熱いね、なまえの中」

縋るように抱きつくなまえの髪を撫でながら、ゆったりとした動きで成歩堂がなまえの奥を突き上げる。
抱き締めながらの行為に、成歩堂からなまえの表情は見えなかったが、耳元には熱い吐息と愛らしい嬌声が響いていた。

「や…っ、もう……」
「ん、もうイくの?まだ繋がったばっかりなのに」

反応のひとつひとつを楽しみながら、成歩堂はなまえの中を探る。
繋がって間もなく一度目の絶頂を迎えたなまえは、ぶるりと身体を震わせながら成歩堂を締め付けた。
しかし成歩堂は僅かの間を置いただけで、再び律動を再開する。
今度は縋り付くなまえを少し離し、ボタンの外されたシャツの間から覗く、役割を果たさない下着をたくし上げた。
露わになった柔らかな膨らみにある桃色の蕾を口に含むと、舌で転がしては時折わざと歯を立てる。
その刺激に甘い声を上げ、弱々しく肩を押して抵抗するなまえの姿が、成歩堂にはとても可愛らしく見えた。

「や…、また……」
「いいよ、たくさんイって」

なまえが二度目の絶頂を迎えた頃、繋がり合った部分からは熱い蜜がとめどなく伝っていた。
淫らな音を立てる其処に一段と羞恥心を覚えながら、なまえは膝が崩れ落ちそうになるのを必死に堪える。
脚が微かに痙攣していることに気付いていながら、動きを止めようとしない成歩堂が、なまえにはとても加虐的に見えた。

「ほら、なまえも動いて。自分で良いとこに当ててごらん」

余裕の表情で微笑む成歩堂に反論しようにも、なまえの口から零れるのは吐息交じりの喘ぎだけだった。
なまえの華奢な腰を支えて揺り動かす成歩堂に導かれるように、なまえはぎこちない動きで身体を上下させる。

「っん……なまえやらしい…」
「龍、一…さん……っ」

余裕の笑みが僅かに歪められ、初めて漏れた成歩堂の吐息に、なまえは思わず嬉しさを感じた。
与えられるだけではなく、自分が彼に快楽与えているのだという実感が、動きに激しさをもたらす。
自分に感じてくれているのだという、その事実がなまえには堪らなく嬉しかった。

「龍一さん…、もう…っ」
「ん……僕も…いい?」

せつなげな表情と声で問う成歩堂に、なまえはもう頷くことしか出来なかった。
ぎゅっとしがみ付くように彼に抱きつくと、成歩堂はなまえの腰を押さえたまま、激しさを増して突き上げる。
愛らしい蜜声と同時にきつく締め付けられ、二人同時に果てると、静かな部屋には荒い息遣いだけが響いた。



「服着たままって、いやらしく見えるね」

繋がり合ったままの状態でキスをしながら囁く成歩堂に、パッとなまえの顔が染まる。
何か反論しようにも、言葉を紡ぐ前に成歩堂に唇を塞がれてしまう。

「龍一さん、意地悪です…」
「そう?僕は可愛いなまえを見たいだけだよ」

悪びれた様子もなくにっこりと微笑む成歩堂に、なまえは照れくさそうに擦り寄った。
僕はなまえに溺れっぱなしだ、と。
甘く囁かれた言葉に、なまえは私もです、とキスを送った。





キミの海に溺れる

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