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くちづけられただけで、なまえの意識は飛びかける。
執拗に成歩堂の舌先がなまえのそれを絡め取り、だんだんとなまえの息が上がる。
成歩堂のくちづけは乱暴ではないが、なまえはそのくちづけだけですべてが奪われそうな感覚に陥った。

「まだだよなまえ、もっと…」

囁かれた言葉を理解するより先に、なまえの膝が崩れそうになる。
成歩堂芸能事務所と書かれたドアに背中を寄り掛からせているものの、成歩堂の支えがなければ立っているのがやっとだった。
抵抗することすら出来ず、寧ろ抵抗する気なんてさらさらないのだが、それでも成歩堂の為すがままの状態なのはなまえとしても少し悔しいところだった。


「りゅ、いちさん…っ、もうやめ…っ」
「ん、まだ……」

成歩堂がなまえを抱き寄せる腕に力を込めると同時に、成歩堂は彼女の首筋に顔を埋める。
ぬるりとした舌先が這う感触と、時々ちくりと走る痛みに、なまえの口からは嬌声が漏れる。
びくりとなまえの身体が跳ねるたびに、成歩堂は行為をエスカレートさせる。
背中に回された手で下着の留め金が外され、もう片方の指先はなまえの内腿を這い上がっていた。

「龍一さんっ、も…ダメ……っ」
「もう?」

泣き縋るようななまえの表情に少しも悪びれた素振りを見せず、成歩堂はなまえを抱き上げてソファへと向かう。
息を弾ませるなまえを愛おしく思いながら、ソファに腰を下ろすと、成歩堂はなまえを自分の両脚を跨がせるように膝立ちで対面させた。

「なまえに見下ろされるのもたまには良いね。こうしてるとなんだか迫られてるみたいだ」

なまえのシャツのボタンに手を掛けながら、成歩堂は楽しげにそう告げた。
止め具の外れた下着が露わになった頃、乱れたなまえを見上げながら成歩堂は嬉しそうに笑う。




「なまえ、次はどうして欲しい?」

それは、確信犯の悪魔の囁きだった。





堕ちる、溺れる、堕ちる

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