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「うぬに添い寝をしてやろう」


今日も一日頑張ったし明日も早いし、さて、寝るか。
そんなことを考えながら布団を敷いていたところ、突然背後から小太郎の声が響いた。
なまえは思わずわっと声を上げて振り向いてみたが、当の本人はなんら悪びれた様子もない。
問いただしたいことはたくさんあったのだが、結局なまえは流されるように小太郎に寝かされ、疑問だらけのままでその腕の中に納まった。


「小太郎様、あの…」
「眠らぬのか?」
「いえ、寝ますけれども…」


視線を合わせてなまえを見つめる小太郎は、なまえの腰を引き寄せながら眠るそぶりのひとつも見せようとはしない。
眠ろうにも、小太郎の視線が気になってなまえは目を瞑るどころではなかった。
加えて、小太郎の体温が伝わるだけで、なまえの鼓動も心なしか早まってくるのである。


「あの…小太郎様、どうして急に添い寝なんて…」
「我は、常に我の好きなようにするだけだ」
「では…気まぐれ、ということですか?」


にっと口角を上げて笑う小太郎に、なまえはどきりとしながらも不安が募る。
気まぐれでも嬉しいと思う自分より、気まぐれではつらい気持ちがなまえをぐらつかせる。
するするとなまえの背をすべる小太郎の指は、なまえの気持ちを弄ぶようにするりと腿まで走り、ぴくりと反応を示すなまえに小太郎の顔には満足げな笑みが浮かぶ。


「我はうぬの傍にしか寄らぬ」
「そ、うですか…」
「好かぬ女と添い寝をするほど、我は奇特者ではない」
「っそ、ですか…」


火照った顔を隠そうと小太郎の胸に擦り寄ろうとするも、小太郎の腕はそれを許さなかった。
仰向けにされたと気付いたときには既に小太郎の唇がなまえのそれを塞いでおり、ぬるりとした舌先が侵食する。
それが、長い夜の幕開けだった。



Lie Down With You
(添い寝シリーズVol.2)

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